# 経済

Go Toキャンペーン、じつは国民の税金が「ドブ」に捨てられていた…!

誰が得をして、誰が損をするのか
鈴木 貴博 プロフィール

経済学的には「筋のいい」政策。しかし…

そもそもなぜ政府がGO TOキャンペーンを行うことになったのか、その理由からお話しします。

新型コロナによって壊滅的な被害を受ける業界が大きくわけると5つあります。自動車、耐久消費財、旅行、飲食、イベントです。

もちろん他の業界もコロナの被害は被っているのですが、この5つの業界には他の業界にない共通の特徴があります。それは国民の収入が減少するとまっさきに節約される消費分野だということです。これを経済学では所得弾力性が大きいといいます。

その中でも旅行、飲食、イベントの3業種は中小零細企業が多いため、自動車業界で行われているような銀行のクレジットラインの維持といった大企業向けの支援策では対策として有効に機能しません。そこで政府による需要の喚起策が計画されたわけです。

実は旅行という商品には所得弾力性が大きい以外にもうひとつ価格弾力性も大きいという特徴があります。ひらたくいえば価格が下がれば需要はその3倍ぐらいのペースで増える傾向があるのです。その特性を利用して旅行代金の半分を政府が持つことで、旅行需要を大幅に増やそうという政策が立案されました。これがGo Toトラベルキャンペーンです。

旅行喚起が期待されたのだが… photo/gettyimages
 

Go Toキャンペーンに税金を1.7兆円投入すると聞いて驚く人も多いのですが、これは経済学的には筋の良い政策です。というのは1.7兆円の旅行代金の補填でおそらく5兆円ぐらいの旅行需要が創出されるわけです。

さらにそれで潤った旅館、土産物屋、地元の飲食店、旅行会社などの法人やその従業員がお金を使うという乗数効果までを考えると12兆円ぐらいはGDPが増えるはずです。これはコロナで不況になった日本においてはかなりの需要創出になります。