リハビリからプロの道へ

マンガ『水晶の響』(斉藤倫/講談社刊)は、バイオリニストの式町水晶(しきまち・みずき)さんをモデルにしたオリジナル作品。3歳のときに脳性まひ(小脳低形成)と診断された式町さんは、リハビリとして4歳からバイオリンを始めました。障がいにより指の力の入れ方さえも分からなかった状態から、想像を絶する努力、師との出会い、家族の支えにより、多くの人を魅了する演奏を奏でるまでに成長し、さらに作曲とアレンジの才能を開花させたポップ・バイオリニストです。

FRaUwebでの出張連載第3話では、小学6年生になった水晶が描かれます。支援学級から通常学級に編入した水晶を待ち受けていたのは、壮絶ないじめでした。クラスメイトから「障がい者くん」と呼ばれ、名前を呼んでもらえない…。はじめて「悪意」にふれ、追い詰めらた水晶は、教室から飛び出してしまいます。

あらすじを振り返ると…

3歳のときに脳性まひ(小脳低形成)と診断された式町水晶は、4歳でバイオリンと出会う。小学校6年生になり、支援学級から通常学級に編入した水晶を待ち受けていたのは、壮絶ないじめだった。しかし、ピアノを弾く葉月唯という少女と出会い、学校での居場所を見つけていく。葉月をはじめ、音楽クラブの仲間と演奏することで、音楽でつながれる喜びを知る一方、障がいゆえの孤独を感じはじめる。ある事件をきっかけに音楽クラブをやめ、中学生になっても、孤立した毎日を送っていた水晶だが、ずっと口をきいていなかった葉月と同じクラスになって心が動きだし…?

強くなりたい!!という思いで弾いていたバイオリンーーだが、葉月との再会で水晶の「音」に変化が……!?

担当編集より一言!

この作品は、実在のバイオリニスト・式町水晶さんをモデルにしたオリジナル漫画です。脳性まひ(小脳低形成)という障がいを抱えながら、人々に笑顔と感動を届けるポップ・バイオリニストとなるまでの道のりを描きます。

次々と現れる体の不調、同級生からの壮絶ないじめ…。心が折れてしまいそうな現実と、つねに戦いつづけてきた式町さん。「孤独」という名の長いトンネルをくぐりぬけた先にある光を、漫画家・斉藤倫が描きます。

幻のヒロインなど、フィクションならではのエピソードも盛りだくさん! 感情のひだを丁寧にすくいとった、感動せずにはいられない作品です!

「当たり前」と思っていたことが、当たり前にできなくなった今だからこそ、どんな逆境をも乗り越える主人公の姿に励まされる方も多いはず! ぜひ読んでみてください!

【プロフィール】
斉藤倫(さいとう・りん)
愛知県豊橋市出身。1981年集英社「別冊マーガレット」にて「なんとなくあいつ」でデビュー。代表作に『すっとんきょーな兄妹』(全3巻)『世界を敵に回しても』(全4巻)『路地裏しっぽ診療所』(全7巻、以上集英社)、『ノーにゃんこ ノーライフ』1~2巻(ホーム社)など


式町水晶(しきまち・みずき)1996年北海道生まれ。3歳の時に脳性麻痺(小脳低形成)と診断される。リハビリの一環として4歳からヴァイオリン教室に通い始める。5歳の時に網膜性変性症・眼球運動失調・視神経乳頭陥凹拡大(緑内障)が見つかる。8歳の時に世界的ヴァイオリン奏者、中澤きみ子氏に師事。プロを志す。音楽性の幅を広げるため、10歳からポップスをはじめ、幅広いフィールドで活躍中のヴァイオリニスト、中西俊博氏に師事。現在も研鑽をつみながら、コンサート活動と楽曲制作に取り組む