お茶の時間が待ち遠しくなるような、おいしいもの。お茶を支え、引き立ててくれる「とっておきのお茶請け」を、お茶好きな方々に教えていただきました。おもたせ、ごほうび、おもてなし……、さまざまなシーンで活躍すること間違いなし!

【お茶好きな方々】
フードジャーナリスト 渡辺紀子さん

雑誌や書籍でグルメ特集を数多く手掛け、世界の料理やミシュラン三つ星店の取材など幅広く活動。「抹茶入り煎茶」「抹茶入り玄米茶」(葉桐)を混ぜて味わうのが日々の楽しみ。
菓子研究家 福田里香さん
雑誌や書籍、商品プロデュースの分野を中心に活躍。『民芸お菓子』『まんがキッチン』など著書多数。好きなお茶は、上品な甘みのある「プレミアムオーガニック煎茶」(一保堂茶舗)。
料理研究家 長尾智子さん
レシピ開発やエッセイの執筆など幅広く活動し、単行本『ティーとアペロ』を上梓。忙しい時でも贅沢に過ごせる「合師・許斐久吉の煎茶ティーバッグ」(許斐本家)がお気に入り。
文筆家 甲斐みのりさん
旅やお菓子、手みやげなど女性が好み憧れるモノやコトを執筆。『全国かわいいおみやげ』など著書多数。ご贔屓は脚本家・向田邦子さんも愛した香り高い「天緑」(丸城茶舗)。

組み合わせて楽しさ無限大
“お茶請け”というパワーアイテム

お茶でひと息つきたいときにちょっとあると心がはずみ、お客さまが来たときはお茶にさりげなく添えたい“お茶請け”。お茶“受け”ではなく、“請け”とするのが正式です。

“請け”には“支える”という意味があり「お茶を支える・引き立てる」のがお茶請けのお役目というわけ。いわばお茶のオマケだけれど、添えた時のパワーは絶大。いつも飲んでいるお茶も、お茶請けが変わればひと味違った新たな顔を見せてくれます。

ちなみに、甘いお菓子をお茶請けにするようになったのは近世以降のこと。それ以前は干し柿やシイタケなどがおなじみだったそうですよ。というわけで、まとめましょう。お茶請けは、甘い王道の「和菓子」やモダンな「洋菓子」はもちろん、お酒のお供の「しょっぱいもの」たちもポテンシャル十分。アイデア次第で、お茶の時間はぐっと豊かに、自由に、思いのままに。

加えて、お茶請けにはお茶の持つカフェインやカテキンといった成分が胃を刺激するのを和らげる効果もあるから、体もいたわれて一石二鳥。自分へのご褒美に、あるいはこれから見える来客に愛を込めて、お茶請けを吟味する時間もまた楽しいもの。食に精通するプロフェッショナルたち4名が教えてくれた、知る人ぞ知る絶品のお茶請けワールドへ、いざ。

【和菓子】
これぞ王道、オールマイティなお茶の友

〈右上〉
タケノとおはぎのおはぎ

日々行列のできるおはぎ専門店には、定番の「つぶあん」、ザクザクした歯ごたえの「ナッツ」、パプリカの梅酢漬けや南高梅を用いて花をかたどった「百花の魁」などユニークなおはぎがずらり。「もっちりねばりけのあるもち米が、種類ごとに素材の個性をピシッと引き出したり、優しく包み込んだり。ごはんのような、ケーキのような充実感があります」(甲斐さん)。1個 ¥180(税込)~

東京都世田谷区桜新町1-21-11 根岸ビル1F
☎03-6413-1227
https://m.facebook.com/タケノとおはぎ-1665389700383515/
通販なし

〈左上〉
洲濱×COFFEE すはま屋の洲濱

京都を中心に愛されてきた“すはま”は、浅く煎った大豆の粉を砂糖と水飴で練り上げた伝統菓子。その最後の専門店だった1657年創業の老舗「御洲濱司 植村義次」が閉店した後、現店主・芳野綾子さんがレシピと店を受け継いだ。「型を使わない有機的な姿の棹物菓子で、大豆の風味が生きている。400年もの歴史ある味が今も同じ場所で作られ続けているのはうれしいことです」(長尾さん)。1棹 ¥900

京都府京都市中京区丸太町通烏丸西入常真横町193
☎075-744-0593
https://twitter.com/suhamaya193
通販なし

〈右下〉
名物人形焼 山田家の人形焼 たぬき

1951年の創業以来、東京・錦糸町の店先で毎朝ふくふくと焼き上げられる人形焼。なかでも“たぬき”は「とにかくかわいい! 大きめなので、私は半分にしていただいています。餡なしのもみじ形もありますが、おすすめは絶対に餡入り。緑茶にとっても合いますよ」(渡辺さん)。奥久慈卵とハチミツのカステラ生地に、甘さ控えめのこし餡がたっぷり。1箱(15個入り)¥2175(税込)

東京都墨田区江東橋3-8-11
☎03-3634-5599
http://yamada8.com/
通販あり

〈左下〉
御菓子処 さゝまの今月の和生菓子

「とくに新茶の季節は、東京・神田の駿河台下に足が向きます」(福田さん)。そのお目当ては90年の歴史をもつ老舗。毎月、和生菓子のラインナップが入れ替わり、「味も意匠も美しい季節の和生菓子が充実しています。春夏秋冬のわずかな変化を写しとり、表現した繊細な味わいが、すっきりと香り高い新茶にぴったり。淡くやさしいお茶の風味を、より引き立ててくれます」。1個 ¥360(税込)

東京都千代田区神田神保町1-23
☎03-3294-0978
http://www.sasama.co.jp/
通販なし