7月23日、今日が「ふみの日」なことをご存じだろうか? インターネットの普及により、郵便取り扱い量は、2001年のピーク時の262億通から172億通に激減し、今は郵便局に行ったこともない……という子どもたちも多い。
そんななか、実は、手紙を書く、万年筆を使うということが、若者たちにとって、気持ちを伝えるツールとして、復活し始めている。
#手書きtweet というハッシュタグなどでは、古い文献に残った短歌や和歌を紹介しながらも、自身の手書きで綴られた手紙などをTwitterにアップロードして、ひと味違う温かみを伝えている。
また検索等にひっかかることなく、画像として思いを伝えられることも、手書き画像をアップロードする一因になっているという。
今回の「手紙」は、母をなくし、父ひとり子ひとりになったシングル家庭の「父からの手紙」をめぐる物語だ。担当編集者は語る。
「今回の話は、4ページの中でも珍しく、本編に出てこない人の話です。ヤマモトさんの脳内では、役場に勤めるキャラクターとして、大きくなった彼女が出てくるイメージでしたが、多彩なキャラクターの中で、作品に出るにいたるまでいかなかった……と話していました。
ただどうしても彼女を考えたときに生まれた「父の愛情」を書かずにいられなくて、4ページでTwitterで発表したという作品になっています。
メールやSNSの発達で、いつでもどこでもメッセージを送れるだけでなく、写真や動画の送付もとても容易になりました。しかしながらそんななか、「告白がSNSってどうなの?」などの意見もあり、今でも、手書きの手紙をもらうことで生まれる温かさは、なくなることはありません。
コロナ禍が収まらない今、GWで帰れなかった実家に夏も帰れない大学生や、家族もとても多いと聞きます。家族を思う人こそ、県を越えるのが恐ろしい、顔を見たいけれど、近所の目を気にしてしまう……という同調圧力が、帰省を阻むという話も多数耳にします。
今回の「手紙」では口下手な父の思いが、何通もの手紙に残り、紙というアナログなものだからこそ、永遠に「愛情」という形で手元に残り続けます。
震災で亡くなった父の残した「手紙」という風習が、受け継がれ、その人が生きてきた証となって続いていく。
コロナで、大事な人に会うのに躊躇しているすべてのひとへ。ひさしぶりに手紙を書いてみませんか?
あなたの手紙の消印が、どうぞ県を越え、思いを届けていきますように!
7月23日はふみの日です。
家族に、友だちに、そして忘れられないあの人に――。ひさしぶりに手紙を書くきっかけにしませんか?」
ヤマモト ヨウコ
京都府出身。現在、転勤で仙台在住。初連載に緊張中。豆柴太をよろしくお願いします! https://twitter.com/YY0905