菅官房長官の逆襲、「陰の総理」がいよいよ「ポスト安倍」へ動き始めた…!

霞が関では「菅首相」待望論も広がる
伊藤 智永 プロフィール

今井氏の代表作は「三本の矢」(アベノミクス、デフレ脱却、経済好循環、地方創生)。政策作りの手足は、もっぱら今井氏の出身官庁である経済産業省だったが、2014年からは経産官僚の後輩、新原浩朗氏にとりまとめを任せてきた。「新三本の矢」(一億総活躍、輝く女性、子育て支援、待機児童・介護離職ゼロ)「働き方改革」「人づくり革命」「人生100年時代」(全世代型社会保障改革)……。

次第に各省庁は「今井機関」と化した経産省の「下請け官庁」になる。反発が溜まり、「面従腹背」が広がる。経産官僚には他省庁がどれも「頭が悪く仕事が出来ない」と映る。そこへ電通に代表される「現代の政商」が「お困りですか。お役に立ちますよ」と揉み手・愛想笑いで取り入る。

経産省総合庁舎
 

政策の企画・立案は「頭のいい」経産官僚が作る。現場の実施部門は、役所より民間の方が使える。それをITビジネス用語を転用してもっともらしく「ソリューション」(問題解決)と呼んできた。新原氏はさしずめ「ソリューション官僚」の親玉である。

コロナ対策の第一幕も「今井機関」が主導した。彼らにとってコロナ問題とは、何より「首相リーダーシップの演出」問題である。だから、アベノマスク、首相が優雅に「家に居よう」と呼びかけるSNS動画配信で無用の失敗を重ね、中小企業向け持続化給付金や「GoToキャンペーン」の迷走を招いた。

最大の失敗が、感染症専門家の助言もなく、菅官房長官・萩生田光一文部科学相・加藤勝信厚生労働相が全員反対したのに、若い北海道知事がコロナ対策で目立っていたのに焦って、今井氏が「全国一斉休校」を首相に進言し、何の準備もなく踏み切った愚策である。危機の宣伝効果は絶大だったが、保護者たちは振り回され、社会的副作用が大きすぎた。一連の失敗で「今井機関」は権威も発言力も失う。「今井機関」はコロナに弱かった。

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