菅官房長官の逆襲、「陰の総理」がいよいよ「ポスト安倍」へ動き始めた…!

霞が関では「菅首相」待望論も広がる
伊藤 智永 プロフィール

責任を負えないので決して認めないが、政府は「全国一斉休校」と「全国一斉緊急事態宣言」は下策だったと後悔している。感染拡大におびえる世論の大勢が皮肉にも「やって良かった」と支持しているので、失敗だったとは言いにくい事情もある。

とはいえ、一方で世論は、政府の対策全体は評価していない。経済失速への不満と不安の方が、感染への心配より大きいからだ。世論はしばしばこのように矛盾した意思を示すが、為政者はその奥の本音を見切れば、時に世論の反対を押し切ってでも政策を実行していくものだ。菅氏はまさしく経済重視のコロナ対策へかじを切るリーダーになろうとしている。

「GoToキャンペーン」決行、休業補償のための新型コロナウイルス特別措置法改正方針、「夜の街」対策で風俗営業法に基づく警察の積極的な立ち入り調査……。菅氏が北海道行きの後、矢継ぎ早に打ち上げたコロナ対策は、「実利主義」「攻めの対策」「実行力」をアピールしている。安倍首相が逃げる国会対応も受けて立つ構えだ。

 

官邸権力の二重構造

7年7カ月続いた今の安倍内閣は、「一強政権」「官邸主導」と言われるが、官邸権力の内実は二重構造になっている。一つは首相の最側近、今井尚哉首相秘書官兼首相補佐官が君臨する「官邸官僚」系。表に見えやすい派手な「官邸主導」政治の大半は彼らが担当している。

彼らが腐心するのはただ一つ、「安倍首相の見せ方」である。演説や国会答弁、記者会見、視察などのイメージ戦略、メディア対策、森友・加計・桜を見る会問題などのスキャンダル処理……。いわば「官邸政治の電通」みたいなものか。

厄介なのは、彼らが単なる「官僚の広告屋」では収まらないことだ。「首相の見せ方」とは、「官邸主導の演出」に他ならない。手出しする範囲はどんどん広がる。最初は、政権のキャッチフレーズや看板政策のメニュー作りだった。

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