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3歳女児放置死の悲劇… 「自己責任化」された施設出身者が味わう現実

この国には何重ものケアが不足している

フランスの福祉のあり方から学べること

7月10日、東京都大田区の自宅に3歳の娘を8日間放置し、餓死させた疑いで母親が逮捕された。その間旅行していた理由について「子育てに疲れたからリラックスしたかった」と供述しているという。3歳児検診は受けさせておらず、昨年保育料が払えないとして保育園をやめていた。

報道によると、母親自身も小学生のとき実母と養父から身体的虐待や育児放棄を受けて保護され、18歳まで児童養護施設で過ごしたとされている。また、亡くなった子どもの父からはDVを受け離婚したそうだ。

児童養護施設や里親のもとで育った人を対象とした調査では21.9%が新型コロナウイルス感染拡大による雇用環境の急変で経済的に困窮していると回答しているという報道もあった。そのなかで相談したり支援を求めたりできる人がいるのは2割にとどまり、孤立も見られるとしている。

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これらは何重ものケア不足の結果起きている。

(1)心のケアの不足、(2)十分な道具を持って社会的養護から送り出されていない、(3)社会的養護出身者支援が足りていない、そして(4)親を支える機会の不足。最後については以前の記事で述べたので、今回は主に最初の3つについて書きたい。

厚生労働省によると日本全国で2万7000人が児童養護施設で暮らしている。毎年施設を出る人を積算すると少なくない数だ。

実際施設で子どもたちにインタビューをすると親も施設を経験していたり親戚に預けられていたという話はよく聞くし、生活保護の現場でも施設を経験している人や他の家に預けられて育った人に多く出会った。

虐待が繰り返されないよう、負のサイクルを止める福祉について改めて取り組むことができないだろうか。フランスの福祉を参考にヒントを探る。