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中国・習近平がひた隠す…香港パニック、じつは香港だけの問題ではなかった!

強力な逆襲が始まった
橋爪 大三郎 プロフィール

不安定で、危険すぎる

政府に軍事指揮権がない。立憲政治でもないし、文民統制でもない。

かつての日本は、軍事指揮権(統帥権といった)が、天皇にあることになっていた。しかし天皇は、実質的な意思決定をしない。それが帝国憲法の、立憲政治の原則だった。すると、軍は、政府のコントロールを離れて勝手に行動できることになる。実際そのように行動し、日本を破滅に導いた。

習近平への権力集中も進む photo by GettyImages
 

中国の軍事指揮権は、中国共産党(の中央軍事委員会主席)の手の中にある。政府にはない。すなわち、中国共産党がいったん軍事行動を起こすと決めたら、国務院(政府)も全人代(議会)も、それを止められない、ということである。たとえそれが、どんなに不合理な決定だったとしても。

中国共産党が、中華人民共和国を指導する。では、誰が、中国共産党を指導するのか。誰もいない。特に、中国共産党のトップ(党中央)は、誰にもコントロールされない。憲法によってさえ。

党の章程をみると、党の全国代表大会が、権力の根源であると書いてある。でもこの大会は、5年に一度開かれるだけだ。そして、よく知られているように、全国代表大会は、すべて党中央がお膳立てすることになっている。大事なことは、すべて舞台裏で決まっていくのである。

中国は、見かけは立憲政体をとっている。でも実態は、専制権力である。中国は、かつての日本と同じような、不安定で危険な体制なのだと、理解しなければならない。