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「ウチの職場にLGBTはいない」が日本企業で通用しなくなった理由

職場の「SOGIハラ」知っていますか?

上司が机を叩きながら「お前はバカか」と叱責する――。2018年度の厚労省調査によると、職場のパワハラ相談件数は8万件を超えている。

今年6月から「パワーハラスメント」は法律上も“NG”な行為であるとして、企業はパワハラを防止する義務が課せられることになった。

ちなみに「お前オカマみたいで気持ち悪いな」「あの人元々女性だったって知ってた?」などの性のあり方に関する侮辱的な言動も“パワハラ”に含まれることになったことはご存知だろうか。

2019年5月に「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」が成立。パワハラの中に性的指向や性自認に関するハラスメント「SOGIハラ」と、本人の性的指向や性自認を同意なく第三者に暴露する「アウティング」も含まれることになった。

今年6月1日から大企業で施行され、2022年4月1日からは中小企業でもパワハラ防止対策を講じることが義務となる。

パワハラ防止指針を採択した厚労省労働政策審議会雇用環境・均等分科会
 

「LGBTは知っているが、うちの職場にはいない」

性的指向(Sexual Orientation)や性自認(Gender Identity)に関するハラスメントを頭文字をとって「SOGIハラスメント」という。性的指向は「自分の恋愛や性愛の感情がどの性別に向くか向かないか」、性自認は「自分の性別をどのように認識しているか」を表す概念だ。

また、「○○さんってレズビアンなんだよ」というような、本人の性的指向や性自認を暴露することを「アウティング」という(ここでいう性自認のアウティングには、自分の性に関する認識だけでなく、法律上の性別など関連する情報を暴露することも含む)。

さまざまな調査から、LGBTと呼ばれる性的マイノリティの人々は、人口の約3〜8%程度と言われており、学校や職場などあらゆる場所で既に共に生きていると言える。

しかし、職場における当事者のカミングアウト率はたった1割前後。その一方で、LGBTではない人の約7割が「うちの職場にはLGBTはいない」と思っている状況だ。“無意識”で“悪気のない”言動によって、当事者たちは追い詰められている。