下剋上ケンカ師・朝倉未来、元不良なのに冷静すぎる「最恐」の素顔

キモが据わった「本物のヤバさ」
橋本 宗洋 プロフィール

昨年4月のルイス・グスタボ戦では、パンチを強振してくる相手にテイクダウン(投げ)で主導権を握り続けるというオールラウンダーぶりを見せた。もし未来が勢いだけの“ケンカ屋”だったら、この冷静な闘い方はできなかったはずだ。

実力が拮抗していて見ごたえがある試合での判定だったら、ラッキーパンチで終わった試合よりも、本質的に自分の方が相手より実力が上だったことを証明できる」(『強者の流儀』より)

2019年12月31日『RIZIN.20』でのジョン・マカバ戦[Photo by gettyimages]
 

YouTubeから見えるマーケティング能力

そして未来は、もう一つの顔であるYouTuberとしても非凡さを見せている。現在の肩書は「格闘家、YouTuber」。あくまで並列なのだ。試合後の勝利者インタビューで「YouTubeのチャンネル登録をよろしく」とアピールしたこともある。

これは「人気アスリートが片手間にYouTubeを始めた」ではなく、YouTuberとしても本気であることを示すためのもの。実際、試合と同じようにYouTubeというメディアの特性を研究し、コンテンツ作りにかなり頭を使っているようだ。現在のチャンネル登録者数は131万人にのぼる。

他ジャンルの格闘家とのスパーリングやドッキリなどの企画に加え、人気が高いのが「街の喧嘩自慢にプロ格闘家がスパーリングを申し込んだらやるのかやらないのか」、「青汁王子を片手で倒してみた」、「(プロレスラーの)シバターをガチで倒してみた」といった“不良のケンカ”という要素を感じさせる映像だ。

「昔は不良だったけど今はまともになった」というありきたりなパターンではなく、過去のイメージをうまく利用していると言えばいいだろうか。視聴者が朝倉未来に求めている要素をしっかり見せているわけだ。このあたりは、YouTuberとしてのマーケティング能力の高さと言っていいだろう。

揉めた相手がいたら「もうプロだからケンカはしない」ではなく「じゃあスパーリングやろうか」となる。格闘家としては頭脳派、あくまで物腰は柔らかいのだが、その落ち着きぶりから、キモの据わった“本物のヤバさ”を感じさせるのも未来の魅力だ。

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