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下剋上ケンカ師・朝倉未来、元不良なのに冷静すぎる「最恐」の素顔

キモが据わった「本物のヤバさ」

「不良格闘技」出身の最高傑作

数年前から新たな熱気を放つようになった日本格闘技界において、最も注目される選手の1人が朝倉未来(みくる)だ。総合格闘技イベントRIZINを主戦場とする彼は“不良上がり”にして“頭脳派”という異色の強豪である。昨年インタビューした際は筆者に「格闘技とは種類が違いますけど、ケンカにも戦略があるんです」と語っていた。

新生K-1の武尊、RISEとRIZINを股にかける那須川天心など、新世代の選手に若いファンがつくことで業界は活況を呈している。未来もそんなニュースターの一角。弟の海(かい)も、昨年8月に日米2冠王の堀口恭司をKOするビッグ・アップセット(大番狂わせ)で名を上げた。

2020年1月の記者会見での朝倉未来(著者撮影)
 

2018年のRIZIN参戦以来、兄弟合わせて喫した敗戦は1つだけ。未来は7連勝を飾っている。昨年大晦日にはアメリカの総合格闘技団体ベラトールとの対抗戦で大将を務め、勝利を収めた。“朝倉兄弟”としてメディアに登場することも多く、最近は2人をYouTuberとして知ったという人も多いかもしれない。

朝倉兄弟が世に出たのは、元プロレスラーの前田日明氏が運営する大会『THE OUTSIDER』がきっかけだった。基本的にアマチュアの大会で、コンセプトは「不良同士の格闘技マッチ」。個性豊かな参戦者たちの闘いは“生のケンカ”のイメージもあって新たなファンを掘り起こした。未来はこの『THE OUTSIDER』で2階級制覇を達成している。

ただ不良同士の闘いと言っても、ルールのある格闘技=スポーツなのは間違いない。“不良”以外の選手も出場してくる。技術も体力も必要だ。大会は単なる“街のケンカ自慢”の舞台ではなくなった。ジムでしっかり練習し、戦略を練った選手が勝つのだ。

朝倉兄弟は、そんな『THE OUTSIDER』における最高傑作と言っていいだろう。未来の2階級制覇は大会史上初のこと。また、プロのトップクラスで彼らほどの戦績を収めた『THE OUTSIDER』出身選手は他にいない。