世界的な経済学者であるロバート・シラー氏 photo/gettyimages

ノーベル賞学者、コロナ時代に「株」「不動産」「生活」はここまで激変する!

都市部の不動産価格が下落リスクが…

2000年、米国株式市場のバブルに警鐘を鳴らした著書『根拠なき熱狂』でセンセーションを巻き起こし、2013年にノーベル経済学賞を受賞したイエール大学経済学部教授ロバート・シラー氏。シラー氏は7月にアメリカのメディアに登場すると、「パンデミック下、投資家の心理が『株価』にどんな影響を与えているか」「新型コロナウイルスの『第2波』により経済はどうなるか」……などについて持論を明かした。世界的経済学者はいま“ニュー・ノーマル”が経済に与える影響をどう考えているのか? 株、不動産、生活はここまで激変する――。

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「物語の経済学」で見ると…

「そこに物語はあるのですか?」

以前、ロバート・シラー氏にお会いして「東京オリンピック後に東京の不動産価格は上昇すると思いますか?」という質問をした際、シラー氏にそんなふうに聞き返された。

そこに物語があるのかどうか。つまり、人々が話題にしているのかどうか。これはシラー氏が、今後の経済動向を予測する上で着目している重要なファクターだ。

シラー氏は、人々がある事象についてする話が世の中に拡散しているかどうかに注目している。その話が事実か否かはさておき、口コミやニュース・メディア、SNSなどを通して拡散している話や考え方は、投資や消費、貯蓄など、人々の経済活動における判断に影響を与え、経済や株価を動かす力があるというのである。

例えば、「テクノロジー株は上がり続ける」「住宅価格は決して下落しない」「大企業は決して破産しない」などの考え方は経済や市場に影響を与えているという。数年前は、ビットコインブームが人々の話題によくのぼったが、そのこともビットコイン価格の上昇に影響を与えた。

人々の物語が経済を動かすという考え方をシラー氏は「物語の経済学(Narrative Economics)」と名付け、昨年、同名の著書を上梓した。