ソウルを中心に、韓国の不動産価格の上昇が続いている。
2017年5月に文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足して以降、ソウルのマンション価格は5割程度上昇した。
コロナショックで韓国経済の低迷懸念が高まっているにもかかわらず、韓国の不動産価格の上昇基調は続いている。
それに伴い国民の不満は蓄積しており、韓国銀行(中央銀行)は不動産市場の過熱に警戒を強めている。
不動産価格上昇の背景には、金融緩和策による“カネ余り”と価格上昇への“強い期待”がある。
それに加えて、韓国では多くの人々が経済環境の良いソウルに移り住み、住宅需要が押し上げられてきた。
その状況下、不動産価格の上昇に目をつけた富裕層などが資産運用のためにマンションを購入し、買うから上がる、上がるから買うという強気心理の連鎖が出来上がっている。
韓国では、不動産価格の上昇とともに家計などの債務残高が膨張している。
その水準は、すでに持続困難な領域に差し掛かりつつある。
今後、不動産価格が下落に転じることになると、韓国はバランスシート調整と不良債権処理の痛みを伴う改革を進めざるを得なくなる。
ソウルのマンション価格動向は、文大統領の評価を左右する要因の一つだ。