あなたがいつも使っているのは表?裏?
いきなり尾籠な話で恐縮だが、あなたは普段トイレットペーパーを使うとき、どのように巻き取っているだろうか。無意識に使っているので、どのように手を動かしているかわからないという方は是非トイレに行って、実際に手を動かしてみてほしい。
毎日お世話になっているトイレットペーパーには表と裏があることをご存知だろうか。
実はトイレットペーパーは、ロールの外側が表なのだ。ずっと裏で拭いていたという方も多いのではないか。一見すると、表も裏も大して変わらないように思える。しかし、肌触りという面では大きな違いがあるのだ。

市販のトイレットペーパーは、肌触りを良くするために様々な工夫がなされている。その一つが紙を薄くして細かくウェーブを入れる加工だ。これにより厚手感が増してふんわりとした肌触りになる。
問題はここからだ。次に細かく入れたウェーブを優しく伸ばしながらエンボス加工をする。エンボス加工とは、凸凹模様の金型にペーパーを挟み込み、表面を凸凹にする加工のことだ。
トイレットペーパーの表裏はこのエンボス加工を施すことで生まれる。エンボス加工により凹面となった、ツルツルしているほうが肌触りがいいので、表とされている。
ただし、表裏があるのはシングルロールだけ。ダブルロールの場合は、それぞれの凸面が内側になるように2枚のトイレットペーパーを重ねているため、どちらも「表」ということになる。
この凸面の間に空気が入り込むため、シングルロールより、さらにふんわり感がアップしているのだ。
ちなみにトイレットペーパーを手に巻き取る動作は習慣化しているため、シングルでもダブルでも1回あたりに使う長さはあまり変わらないそうだ。ということは、シングルロールのほうが巻いてある長さが長いので、より長持ちすることになる。
節約志向か、それとも肌触りか、どちらを取るかはその人次第だ。(羽鳥)
『週刊現代』2020年7月18日号より