「神ワザ」と絶賛…甲子園球場のグラウンド作りに人生をかけた男の物語

『あめつちのうた』著者にインタビュー

甲子園を沸かせる「神整備」

―甲子園球場でのグラウンド整備を担当しており、その整備の上手さ、美しさから「神整備」と呼ばれる「阪神園芸」。朝倉宏景さんの新著『あめつちのうた』の主人公は、その阪神園芸の社員です。

僕は阪神ファンで、以前から阪神園芸には注目していました。特に印象深いのが、'17年のプロ野球クライマックスシリーズ阪神対横浜戦です。

大雨で泥沼のようだったグラウンドが、たった数時間できれいに仕上がっていたのです。その整備の様子を直接目にしたわけではありませんが、記憶に強く残っています。

野球小説はこれまでに3作書いています。4作目の今回は担当編集者と相談して、阪神園芸を取材して書くことになりました。プレイヤーではなく裏方を主人公にした野球小説は珍しいのではないかと思います。

 

裏方でも阪神園芸さんはマニアックな人気があるんですよ。球場に行くと、オリジナルグッズのタオルや整備カーのミニカーを販売しています。

―間近に見て取材する神整備、どんな感想を持たれましたか?

「職人の世界」ですね。キビキビと動いて黙々と作業をする。あまり言葉は交わさないけれど、ベテランは足で土を踏んだだけで、グラウンドの状態がわかるそうです。

高校野球は一日に4試合やるので硬めに仕上げるなど、プロ野球の日と、甲子園大会の時では仕上げ方も違うんです。直近の降雨状況や、先々の天気予報も加味して整備方法を変化させています。