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大相撲7月場所「有観客開催」は愚行か、英断か

コロナ感染の中心地東京でなぜ今なのか

大相撲7月場所の開催が7月13日に決定した。「有観客開催」という耳慣れない表現に違和感を覚えるが、プロ野球やサッカーと同様、国技館内に収容人数の4分の1程度、約2500人の観客を入れての15日間となることが発表された。

コロナウイルスの感染が再拡大する中で、その中心地である東京で、しかも屋内で、という状況下では当然、リスクも少なくない。しかしコロナを防ぐために万全を期して本場所を開催し興行収入を得ていくことでしか、大相撲という文化を継続する道は無い。この難しい判断の是非について考えてみたい――。

本当に大丈夫なのか

日本相撲協会は7月13日、両国国技館で臨時理事会を開き、19日より大相撲7月場所を開催すると正式決定した。事前の報道からも、開催そのものは既定路線ではあったようだが、重要なのは、今回の開催が観客を伴う「有観客開催」だということである。3月に無観客開催を決定したことを考えると、更にリスクの高い決断をしたことには疑問も残る。

まず、感染者の増加数が当時とは文字通り「桁が違う」ということだ。

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大阪場所開催を決定した当初、大阪での1日あたりの感染者数は合計でも数名程度であった。それでも力士や関係者の感染リスクを考慮し、開催そのものに対して批判的な声も少なからずあった。かくいう私もその一人だった。

だが7月場所の開催地である東京は、ここのところ毎日のように200人を上回る感染者が出ている。その多くが大相撲の観客層とは異なる30代以下であるとはいえ、感染者そのものが増加していることを考慮すると年齢層云々は安全を担保する理由にはならない。

 

そして本場所開催の1週間前でこの状況であれば、本場所が終了する頃にはどれだけの感染者が増加するかは見えないだろう。大阪では一日に数人だった感染者数が千秋楽の頃には累計で100人を突破していたことを考えると、悲観的なシナリオで考えた方が妥当ではないかと思われる。