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国民的大疑問! 話題先行の「5G」は、結局「いつが買い」なのか?

iPhone対応後も普及率5割…!?

「ブロックチェーン」をテーマとする熱い討論大反響をよんだ、中央大学教授で情報ネットワーク・情報セキュリティを専門とする岡嶋裕史氏と、ITジャーナリスト・西田宗千佳氏。

二人が今回、ふたたび対談の場に!
新たなテーマは、今春のサービスイン以降、話題に事欠かない「5G」だ。

折も折、岡嶋氏の最新刊『5G──大容量・低遅延・多接続のしくみ』が発売直後からベストセラーになっている。

2回に分けてお送りする対談の前編では、サービスが始まったばかりの5Gが、私たち一般ユーザーにどう普及していくのか、現状分析と今後の課題を縦横無尽に語り合った──。

「5G」の電波、何回受信しましたか?

西田:いよいよ今春、日本でも5Gがサービスインしました。岡嶋さんは今まで、「5Gが受信できた」ことって何回くらいありますか?

岡嶋:一度もありませーん(笑)。

じつは、私自身は「レイトマジョリティ」なので、個人用の5G端末はまだ入手していないんです。大学の研究で使っているのですが、「電波入らないなー」とは思っています。

西田:仕事柄、いろいろテストしなければいけない関係もあって、私は大手携帯電話事業者各社と契約しています。その回線を順に5Gに入れ替えているところなのですが、3月末のスタートから……3回、くらいですかね。5Gの電波が入ったのは。新型コロナウイルス感染症の関係で、都内を移動する機会が限られていたので、その影響もありますが。

ちなみに電波が入ったのは、すべて携帯電話販売店の前です。

岡嶋:(笑)

西田:5Gへの期待は大きいのに、肝腎の電波がそのくらい飛んでいない。「何が起きているのか普通の人にはわからない」というのが実状だと思います。

岡嶋裕史氏(右)と、西田宗千佳氏

岡嶋:携帯電話の規格は、5G以前のどの世代でも「高速化しよう」とか「大容量化しよう」ということを目的に技術革新が続いてきました。これらは、世代ごとの技術的特徴とは関わりがなく、つねに目指している部分です。

これ以上の高速化を追求するのであれば「高周波帯」を使うしかない。ところが、高周波帯域の電波は遠くまで届かないので、とにかくアンテナ数が必要で、「5Gについてはアンテナの整備が大変ですよ」という事前のアナウンスがされていましたね。大きなアンテナを1つ立てれば遠くまでカバーできる、というようなものではないので。

僕は今、ある行政機関でも教えているんですが、行政でも苦労が絶えないようです。交差点の信号機にアンテナをつける話になっているんですが、それはどうするんだ……ということで。

そういう技術的な難しさはともかくとして、3Gや4Gのときと同じように、携帯電話事業者が仕事をしていれば、もういろんなところで5Gはつながっていたとは思うんです。

西田:そうですね。

岡嶋:本気で「5Gをとりにいくぞ」という気迫を、あまり感じないんですよね。今のところ。

“本物”と“暫定版”、2つの5Gがある

西田:現時点での5Gは、言葉は悪いですが、“本物”と“暫定版”が混在しています。