# 新型コロナウイルス

外食業界で一人勝ち、新星「焼肉きんぐ」の食べ放題が魅力的すぎる

キーワードは「オーダーバイキング」
永田 雅乙 プロフィール

ローコストメニューを「名物化」

それではいったん、焼肉きんぐがこのようなオーダーバイキング形式を確立させたのか、経営サイドの視点からみていこう。

まず、実はオーソドックスなカルビ、ロース、タンはいちばん原価率が高く、注文が集中することは避けたい。一方で、「厚切りもの」「薄切りもの」は1皿のあたりのグラム数は実は少ない。原価率の低いこれらを「名物化」させることで、客を誘導しているのだ。

また、タッチパネルによるオーダーの場合、商品が多ければ多いほど、客は「沢山食べた!」とお得感を得やすい。冷麺、ビビンバ、クッパ、サラダなどのサイドメニューの充実はトータル原価率低減につながるので、次々と創作メニューが投入されるシステムになっている。

オーダーはタッチパネル式
 
 

「焼肉きんぐ」ブランドはロードサイド立地が中心の業態の為、首都圏・都心部での認知度は決して高くはない。東京23区での出店は、駒沢公園店、竹ノ塚店、板橋前野町店、梅島店の4店舗にとどまっている。これらの店舗も大通りに面した場所にあり、実質のロードサイド店と言って差し支えないだろう。

営業母体の「物語コーポレーション」も、創業地は愛知県豊橋市である。しかし2007年3月に誕生した同ブランドは13年の月日をかけて着実に成長し、ロードサイド立地を中心に241店舗まで事業規模を拡大している(7月14日現在)。

2007年当時、オーダーバイキングという仕組み自体はメジャーではなかった。焼肉におけるバイキング・食べ放題の形式は人気を博していたが、客がビュッフェ台に集まり、食べたいものを食べたいだけお皿に盛りつけ食べる形式が主流であった。

現在も同様のスタイルは存在するが、ビュッフェ・バイキング自体はコロナ感染を広める形式だとして自粛が求められている。それでも、「定額で食べ放題」というキーワードは強く、集客力が高い。

そして緊急事態宣言後、「焼肉」「食べ放題」「オーダーバイキング」「ソーシャルディスタンス」「店内換気」のキーワードがマッチし、活況を迎えているわけである。