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首都圏人気エリアの「新築マンション価格」に起きた異変…「前のバブル崩壊」を思い出す

「値上がり」のウラで…

収束の見えない新型コロナの感染拡大は、東京周辺の住宅市場にも、静かながら不気味な変化をもたらしている。

今のところ、表面的には価格面では大きな変化はない。例えば、新築マンション市場では2013年頃から始まった値上がり傾向が依然として続いている。

2013年頃から値上がりが続く東京湾岸のマンション群〔PHOTO〕iStock
 

新築マンションの場合、売主が事業用地を購入してから売り出すまでに、設計や建築確認などの諸々の準備が必要であり、その期間は1年から1年半はかかる。中には塩漬けになって数年間寝かされることも珍しくない。

したがって、今から市場に出てくる物件の土地は早くても2019年の半ば以前に仕込まれたものだ。仮にコロナ騒ぎで土地が値下がりするにせよ、それが新築マンションの価格に反映されるのは早くて1年先、ということになる。

その一方で、新型コロナによって市場のマインドは確実に冷えている。2013年以降、市場に蔓延したイケイケムードはすっかり萎んでいる。買い手はさらに慎重になっている。マンションの購入の相談に乗っている私は、それをひしひしと肌で感じるのだ。

新築マンション市場において、建物の竣工後にも住戸を売り切ることができず、販売が続く状態を「完成在庫」と呼ぶが、そうなった物件は、ほとんどが値引き販売されているのが現状だ。マンションデベロッパー各社も、そういう現実をしっかりと見据えている。明言はしないものの、各社とも、しばらくは完成在庫を減らす「敗戦処理」の販売活動を続けざるを得ない覚悟を固めている。

象徴的なのが、最近、ある大手デベロッパーが「千葉都民エリア」(東京都で働く人が暮らしやすい千葉県内の地域)で売り出した物件の販売価格である。