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ホテル、オフィスに大打撃…コロナ時代の「不動産会社」どう生き残る?

「マルチカテゴリー」は苦境を救うか

コロナ・ショックは、不動産業界にも――インバウンド需要の消滅でホテルは大打撃を受け、都心のオフィスにも解約の動きが相次いでいる。

倒産する不動産会社も出始めている中、「単一のカテゴリーに依存するのはリスクが高すぎる」と話すのは、「株式会社ジェクトワン」代表取締役の大河幹男氏。空き家活用のソリューション事業「アキサポ」をはじめ、その用地の特性や課題に応じてさまざまなカテゴリーの不動産活用を提案する同社のスタイルは、従来の「単一のカテゴリーしか作れない」不動産会社とは一線を画す。そのことが「結果として、今回のコロナ禍ではリスクヘッジにつながった」というのだ。

自身も前職のディベロッパー時代に、バブル崩壊、リーマンショックを当事者として目の当たりにしてきたという大河氏。アフター・コロナの不動産会社の生き残り方をどう見据えているのか。

取材・文/堀尾大悟

ホテル、オフィスへの影響がみえてきた

緊急事態宣言が明けるまでの3月から5月にかけては、不動産市場の動向がまったく不透明で「積極的な動きを手控え、不動産の購入(仕入れ)もほぼストップしていました」と、大河氏は話す。

それが、緊急事態宣言が解除され、6月に入ると、不動産市場におけるコロナ・ショックの被害状況が少しずつ明らかになる。特に大きな打撃を受けたのは、ホテルとオフィスだ。

ホテルは、外国人の入国制限や外出自粛要請を受け、実需がぱったり途絶えた。大和不動産鑑定のレポートによると、ホテルの宿泊稼働率は2019年4月の64.7%から2020年4月は16.6%に大きく低下

 

また、リモートワークが定着する中で、都心オフィス物件の空室率も上昇に転じている。オフィスビル仲介大手の三鬼商事が発表した都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の2020年6月の空室率は1.97%となり、4か月連続で上昇した。
*参考(2020年7月23日確認) https://www.e-miki.com/market/tokyo/

一方で「なんとかビジネスとして成立しそうな気配が徐々にみえてきた」というのが住宅だ。その住宅の中でも、ファミリー系とワンルーム系では動きが少し異なるようだ。

「ファミリー系は、ここ最近では都心に近いほど需要が高く、郊外物件は非常に難しいといわれていました。ところが、世の中がコロナをきっかけにリモート中心になってきたので、少しずつ郊外を狙う動きが出始めています

一方のワンルーム系のほうは、ターゲットである学生や若年層のニーズが大きく減るということがないので、開発意欲は衰えていないようだ。

「当社もワンルームの開発は引き続きやっています。ただ、エリアを厳選して、できれば山手線や環七より内側などの都心部が今後も中心になりますね」