理由がわかれば攻略するだけ

「日本の学生は手をあげて質問をしない」と海外経験のある教授に言われたことがあります。さらにアメリカ人の女性の友人にも、「日本の男性ってシャイ過ぎる。なにを考えているかわからないの、どうしたらいい?」と聞かれ、「わたしもわからない」と笑って話したことがあります。

それも、よく考えたら、そもそもアメリカ人の男性、ましてやイタリア人の男性と比べたらすごくかわいそうなことだったのです。

そもそもが、根っこに流れる文化的な価値観が違うのです。
前述のリチャード・E・ニスベットさんは、このように言っています。

「西洋人は東洋人に比べて自分を高く評価したり、他者から高く評価されたりすることに関心が高い」

「アメリカ人が自分について好意的にコメントする傾向は、日本人よりもはるかに高い」

「アジアの文化は他者より秀でていることや個性的であることよりも、人と人との支えあいのなかで調和を維持することや集団の目標を達成するために何らかの役割を果たすことである。こうした目的のためにはある程度の『自己批判』すなわち自慢とは正反対の姿勢が必要である」

わたしたち日本人は、もともと自己主張して前に出ることよりも謙虚でいることに対して美徳を感じやすい民族なのです。だからこそ、もともと「本番力」が弱かったと言えるのです。

いや、同じ日本人でも堂々と意見を言える人がいるじゃないか? と思いますよね。政治家なら「それが仕事」なので当たり前かと思います。しかし、前述のように謙虚さを美徳と考えてしまう傾向は、テレビで討論できる人などを見て、「でしゃばりな……」と嫌悪感を持ってしまう傾向が西洋よりも高いとも言えます。

つまりは、前に出ることの価値が低いこと。前に出ている人を否定しやすい価値観を持っていること。それら両方でサンドイッチになっていることが、なによりもあなたが本番に弱いという大きな原因です。

そんななかで前に出て反論できる人などはとくに、「嫌われる勇気」があるということで、だからこそ本番に強いということになります。


次回は、緊張をコントロールする3つの方法についてお届けしていきます。

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