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1回9800円!「尿1滴」でできる凄いがん検査「N-NOSE」とは?

申し込みが殺到する「6つの理由」
マネー現代編集部 プロフィール

全身のがんリスクが早期・高精度にわかる理由

冒頭でも述べた通り、N-NOSEの魅力はリーズナブルな価格だけではない。なぜ高精度なのか。なぜステージ0、1といった早期がんを発見できるのか。なぜ一度の検査で全身のがんリスクを高精度に調べることができるのか。このカギは、すべて線虫が握っている。

検査で使われる線虫「C. elegans(シー・エレガンス)」は、DNAがすべて解析されている扱いやすい動物だ。そして、イヌの約1.5倍の嗅覚受容体様遺伝子を持つ。いわゆる「ニオイに超敏感」なので、より多くのニオイの違いを識別できると考えられている。

実際に最新の臨床研究でも、がん患者と健常者の尿を高精度に見分けることがはっきりわかっていて、その感度は実に86.3%だという。

 

ちなみに、臨床研究は基本的に日本の研究機関で行われている。ただ、人種的な違いがないかたしかめるため、オーストラリアのクイーンズランド工科大学とも共同研究を行っているという。初期検討では、線虫が反応する感度は約9割と高かった。N-NOSEの精度は、人種による差は基本的にないようだ。

「外科医が手術でがんを取り除くとき、よく特有のニオイがするといいます。がん細胞は、代謝回路が通常の人間の細胞とは違うので、代謝で排出される老廃物も人間の細胞のものとは違う可能性が高い。それが特有のニオイの原因かもしれません。具体的な原因物質はまだ明らかになっていませんが、線虫は、がん特有の代謝物のニオイを敏感に嗅ぎ分けているのだと思います」

線虫は、一般的に発見しづらいといわれるがんにも高精度に反応する。たとえばすい臓がんだ。すい臓がんで毎年亡くなる方は約4万人弱。がんが発見された人の数と、亡くなる人の数はほぼ一致している。つまり、一般的な検査方法ですい臓がんが見つかったときには、すでにステージがかなり進行しているケースがほとんどだという。

「従来の検査方法で0~1ステージのすい臓がん患者が見つかったとき、血液や尿、唾液といった体液を集める国家プロジェクトがありましたが、5年間でわずか50例しか見つかりませんでした。患者さんの他の症状を見ているときに、たまたますい臓がんが見つかる。そういうケースがほとんどで、年間10人いるかどうか。それほど見つけにくいものなのです」

けれども線虫は、ステージ0~1といった早期のすい臓がんにさえ感度高く反応することがわかっている。線虫、おそるべし。

もちろん、N-NOSEを受けて陽性が出ただけでは、何のがんに罹患しているのかわからない。けれども、極めて見つけづらい0~1ステージのすい臓がんも含めて、「もしかしたら、あなたは何かのがんに罹患している可能性が高いかも?」と線虫が全身のがんリスクを高精度で知らせてくれるのは、やはり改めて画期的だ。

ところで、がん種は分類の仕方によって詳細は異なるものの、約30種あるという。現在N-NOSEで見つけられるがん種は15種類となっているが、これはがん患者全体の何割くらいをカバーできるものなのか。

※胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、すい臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、卵巣がん、胆管がん、胆のうがん、膀胱がん、腎臓がん、口腔・咽頭がん

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