# がん # 医療

1回9800円!「尿1滴」でできる凄いがん検査「N-NOSE」とは?

申し込みが殺到する「6つの理由」
マネー現代編集部 プロフィール

「N-NOSEの実用化は、広津の強い使命感があったからこそ実現しました。毎日1000人の方の命ががんで失われる中、1日でも早く実用化しなければ。安価で痛みがなく、1度で全身を網羅的かつ高精度に検査できる1次スクリーニング検査があれば、気軽にがん検査を受けられるようになる。そうした強い思いがありました。がんのリスクがあるとわかった方が、必要な既存の検査に進むという流れを作り、日本のがん検診の受診率を底上げする。これが私たちの目指す未来です」

こう話すのは、HIROTSUバイオサイエンスの取締役で経営企画室長の山口慶剛さんだ。山口さん自身も、広津さんの強い思いに共感して同社に参画した1人。昨年6月まで東芝にいて、定年を迎えるにあたり広津さんから声がかかった。

 

保険適用外なのに、なぜ低価格で受診できるのか?

N-NOSEは早期のがんに対する感度が非常に高いので、全身のがんのリスクが網羅的に調べられるという1次スクリーニング的な価値がある。実は、こうしたサービスはまだ他に競合がないらしい。だったら、もっと強気の価格設定でもいいのではないか。

保険適用外なのに、9800円。なぜ、N-NOSEは画期的なサービスでありながら、これほどリーズナブルな価格で提供できるのか。手の届きやすい価格設定には、広津さんの強い思いが反映されていた。

「価値を考えると、ビジネスとしては2万円、3万円くらいの価格設定でもいいのではないか。それが正直な相場観です。実のところ、3万円でも受けたいという方はかなりいらっしゃいます。今後、提供するサービス量が増えてN-NOSEが広く普及すれば、原価率は下がります。それにつれて2万円、1万円と価格を下げていくやり方もあるでしょう。けれども、広く早くN-NOSEを普及してみなさんに使ってもらう。それこそ第一使命。これが広津の当初からの思いでした。そのため最初から、手の届きやすい価格設定にこだわりました」

もともとN-NOSEには、コストを抑えるための優位性がいくつかある。

たとえば、検査で使用する線虫「C. elegans(シー・エレガンス)」は、雌雄同体で4日で成虫になり、生涯に100個から300個の卵を産む。繁殖がわりと簡単なのは、サービスの価格を抑えられる1つの重要な要因だ。

C. elegans(シー・エレガンス)

関連記事