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# がん # 医療

1回9800円!「尿1滴」でできる凄いがん検査「N-NOSE」とは?

申し込みが殺到する「6つの理由」

がんは今や不治の病ではない。早期発見できれば、完治する可能性は高まる。そのためには、定期的ながん検査を受けることが大切だが、日本人のがん検診受診率は他の先進国に比べて非常に低い。

受けるのに手間や時間がかかる、安価な検査は精度が低いし、精度が高い検査は高額で手を出しづらい……。そんながん検査のもどかしさを解決するのが、たったの9800円で15種類のがんのリスクを判定する、がんの1次スクリーニング検査「N-NOSE ®(エヌノーズ)」だ。

なぜ低価格が可能なのか? 尿1滴で判定できる仕組みとは? 「N-NOSE」のすごさを余すことなく、HIROTSUバイオサイエンス取締役の山口慶剛氏に訊いた。

取材・文/黒川なお

申し込み殺到!「9800円」のがん検査とは?

「たった1滴の尿で、がんの罹患リスクが高精度でわかる。しかも、9800円で」

この衝撃的なサービス内容で、予約がなかなか取れないがん検査がある。バイオベンチャー「HIROTSUバイオサイエンス」が開発し、2020年1月に実用化した「N-NOSE(エヌノーズ)」だ。

あまりの手軽さに、筆者は思わず心の声が漏れた。「今すぐ検査を受けてみたい。でも、本当に有効なの?」と。

 

これまでの一般的な検査とはまったく違い、生き物を使うのがN-NOSE最大の特徴だ。目や耳を持たないかわりに嗅覚が発達している線形の小さな生物「線虫」を使い、「がん患者の尿に集まり、健常者の尿からは逃げる」という線虫の性質を利用して、がんを検知する。

N-NOSE開発の原点は、研究者で同社代表取締役でもある広津崇亮さんの発見にある。広津さんは約20年にわたり線虫の研究をする中で、九州大学の助教授時代に「線虫が非常に高い精度でがん患者の尿の匂いを嗅ぎ当てる」ことを発見した。そして2016年8月、大学発のベンチャー企業を立ち上げた。

・健常者の尿と、がん患者の尿に対する、線虫の反応の違い