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感染源「日本人」「海外から」と責任転嫁するインドネシア政府の矛盾

体裁重視でついに規制緩和へ

感染は今なお拡大一途

東南アジア諸国連合(ASEAN)の大国インドネシアが新型コロナウイルス対策で混迷の度をさらに深め、政府は国民からの信頼を失いつつある。

ジョコ・ウィドド大統領は7月13日の閣議で現在1日2万件以下のコロナウイルスのPCR検査数を1日3万件以上に増やすよう関係部局に指示するとともに「社会的距離確保、手洗い励行、マスク着用」という基本的な感染防止策の励行を国民に改めて呼びかけた。

インドネシアのメディアはこうした大統領の姿勢を「一向に収まらないコロナ感染者数、感染死者数の増加に対する危機感の表れ」として報道している。

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だが、ジョコ・ウィドド大統領が6月18日の閣議(動画を大統領府が6月28日に公開)で全閣僚を前に「内閣改造も辞さない」との強い口調と態度で政府が一丸となってより積極的にコロナ対策を推進するよう強調した時も「危機感の表れ」として伝えるなど、政府もメディアも「危機感」を表しそれを報道することに専念するだけで、実際に有効なコロナ感染防止対策を打ち出すには至っていないのが現状である。

ジョコ・ウィドド内閣がそうした具体策を伴わないスローガンと目標、指針を示すことに忙しい中、マスコミは一方で毎日のように「ジャカルタの1日の感染者数過去最高」「インドネシアの感染者数7万人超」「東ジャワ州が国内一の感染蔓延地帯」などセンセーショナルに数字の増加を伝えている。

このように、インドネシアにおけるコロナ禍は依然としてその猛威を振るい続け、拡大の一途をたどっている。

 

「日本人」「海外から」は責任転嫁

インドネシアは周辺国などでコロナ感染が相次いで報告される中、3月まで感染者ゼロの状況が続き、「熱帯の高温がウイルスを死滅させる」「イスラム教を信仰していれば感染しない」など非科学的な理由を挙げて非感染国であることに一種の優越感を抱いていた。

ところが3月2日、国内で初のインドネシア人の感染者2人が報告され、感染国の「仲間入り」となった。その際、政府はマレーシア在住の日本人女性からの感染の可能性が濃厚であると発表して、インドネシア国民の「日本人批判」が一時的に高まった。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71209

その後は、それまでコロナ感染を楽観視していた「ツケ」もあり感染防止では後手に回る対策を繰り返した。その結果感染者数、感染死者数は右肩上がりに急増し、3ヵ月を過ぎた現在は感染者数、感染死者数ともにASEANで断トツの多さとなっている。

7月13日現在、インドネシア全34州の感染者数は7万6981人と7万人を超え、過去1週間は毎日1000人から2000人規模で増え続けており、感染死者数は3656人でこちらは過去1週間、30人から50人ずつで増加している。