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「クレーム」を「改善」に変換する!「問題発見力」を鍛えるポイント

『問題発見力を鍛える』vol.23
これまで「問題発見力」の重要性を説いてきた細谷功氏の連載『問題発見力を鍛える』。最終回となる第23回では、「問題発見力」を身につけるために意識しておくべきポイントを伝授します。

問題発見力を上げるには?

問題発見のための思考回路は問題解決のための思考回路とは場合によっては180度全く逆向きになるようなものでした。

このために問題解決型の思考を鍛えるのとは異なり、能動性が鍵となることは前回示した通りですが、この他にも問題発見のために普段から意識しておくべき必要なことがいくつかあります。

最後に問題発見を向上させるために必要な思考回路の転換について、本連載をまとめて振り返る意味で述べておきます。

 

ネガティブからポジティブへ

私たちが日常生活で問題を発見する際にはポジティブなものよりもネガティブな場面においての方が圧倒的に見つけやすいといってよいでしょう。

例えばファミリーレストランの机上にあるアンケート用紙にわざわざ記入する人は、おそらく「感謝の言葉を述べるため」よりもクレームのためという方が圧倒的に多いのではないでしょうか。特に日本人は製品やサービスに対しての要求が他国に対して厳しいといわれているので、このような「粗探し」は得意だと考えられます。

このようなクレームや文句はそのまま放置すれば単なるネガティブな状態で終わりますが、これを前向きな製品やサービスの改善機会ととらえれば全てが解決すべき問題に変わります

この日本人の「完璧主義に基づく粗探し」をポジティブに変えたわかりやすい例が、これまで世界を席巻してきた自動車や電気製品と言えるでしょう。この場合、ネガティブな顧客のクレームや要求を見事にポジティブな「改善」へと変えてKAIZENとして世界に広めたのは日本が誇るべき成功例と言えます。

・・・と、ここまでは企業の改善においてはうまくいきますが、これがネガティブなままで終わってしまうことが多いのが個人の世界です。SNSの世界での「完璧主義の正義感」によって、失敗したり失言した個人をあたかも「欠陥商品」のごとくクレームしまくることは、ポジティブ側に変わることなくネガティブなままで終わることが多いためにこれは大量の問題が発生しっぱなしで終わってしまっています。

企業に関してはクレームというネガティブな問題がポジティブに変換していくプロセスがうまくまわりますが、個人においてはそうは行きません。他人からあからさまに自らの欠点を指摘されて(たとえそれが「本人のために言っている」という名目であったとしても)それを簡単にポジティブな改善に変えられる人は極めて少数派で、大抵の人はネガティブで終わってしまうことでしょう。