新型コロナウイルスの蔓延にも関わらず、日本での死者が少ないことが疑問視されているが、同様に欧米と大きく異なることがある。経済の大収縮に伴う企業倒産が欧米に比べて少ないのだ。
これは安倍晋三首相が胸を張る「世界最大級の経済対策」が奏功しているのか。それとも「嵐の前の静けさ」にすぎないのか。
米国では大手企業の経営破綻が相次いでいる。米連邦破産法11条を申請して経営破綻し、会社更生手続きに入った企業を見ると、老舗や大手の企業にも経済収縮の波が襲いかかっていることがわかる。
5月には高級百貨店の「ニーマン・ルーカス」や老舗百貨店「JCペニー」、レンタカーの「ハーツ・グローバル・ホールディングス」が破綻。
それ以降も、ヘルスケアチェーンの「GNCホールディングス」、シェール開発大手の「チェサピーク・エナジー」、ピザハットやウェンディーズを運営する「NPCインターナショナル」、そして、老舗アパレルブランドの「ブルックスブラザーズ」と経営が行き詰まるところが相次いだ。
米国では日系企業も例外ではなく、「無印良品」を米国で展開する良品計画の米国子会社が7月に入って破産法11条を申請したと報じられた。
米国だけではない。人の移動が止まったことで、世界の航空会社も軒並み経営危機に直面している。
5月にはタイ国際航空が破産法に基づく会社更生手続きを申請して経営破綻。6月末から7月上旬にかけて、メキシコの航空大手アエロメヒコ航空やブラジルの航空最大手LATAMグループなどが経営破綻している。