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「ソウル市長セクハラ自殺」が韓国社会に遺した大きすぎる波紋

疑惑の真相究明は避けて通れない

突然の自殺

「ある自殺は加害だった。非常に最終的な形の加害だった」

朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長の突然の自殺後、韓国のSNSで流行っている文章だ。

この文章の出所は、チョン·セラン氏の小説「視線(シソン)から、」。3代にわたる女性の人生を通じて韓国社会で行われる女性への暴力と抑圧を描き、「愛」の視線から問題を解き明かそうとした作品だ。今年6月に出版されてから高い人気を集めるこの小説は、朴前市長の自殺により、さらに販売部数が急増しているという。

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人口1000万の韓国の首都・ソウルを管掌するソウル市長は、海外メディアも指摘する通り、韓国ナンバー2の権力者だ。朴元淳前市長は、2011年の補欠選挙でソウル市長に就任して以来、連続3回当選を果たし、次期大統領選挙に挑戦すると目された大物政治家であった。

弁護士であり市民運動家出身の朴元市長は、弱者を代弁する活動で名声を築いてきたが、女性被害者のための弁護にも積極的だった。

1998年の「ソウル大教授のセクハラ事件」では被害者女性の弁護を担当し、「セクハラは犯罪」であることを韓国社会に初めて知らしめるなど、女性の人権を向上させる役割を果たしたとして、その功績は高く評価されている。

ソウル市長に就任した後も引き続き、女性の人権について声を上げてきた。

2018年、「共に民主党」所属の安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事の性暴力事件が1審で無罪判決を受けると、「このような事件(性的犯罪)を判断する際は、感受性が非常に重要であり、被害者を基準にしなければならない」という論評を出し、被害者の側に立った。

 

また、「両性平等を最優先の価値とする」として、2019年に韓国の自治体では初めて「ジェンダー特別補佐官」を置き、職場内のセクハラを厳しく取り締まった。