鬼滅の次にきそうな作品は?

前出の翔冰さんが、こうしたファンイベントに最初にかかわったのは17年も前になるという。いわばイベントのベテランだ。今年はこの鬼滅イベント以降、10月、そして来年の1月にもまた別のイベントを予定しているという。

「今回、誘われて参加したのですが、こうしたイベントのスタッフは、毎回、違うんです。決まった人たちでやっているわけではありません。新型コロナの影響で延期にはなりましたが、みんな数ヵ月かけてオリジナルの作品を準備し、今日を迎えています。今回は鬼滅を好きだという人たちが集まって、去年の8月から計画してきました」

だが、少し気になる話も耳にした。それは、鬼滅は過去の日本アニメのイベントほどの盛り上がりがない、というのだ。主宰スタッフである語扉さんは「今はアニメだけでなくゲームもあって、選択肢が広がっているからかもしれません」と語る。

Plurkのアプリを開くと出てくる画面。話題のトップが上位に来る

台湾でアニメ好きなら利用しているとされるSNSに「Plurk」がある。ツイッターのようなイメージで、短いコメントを発信することができる。イベントの公式ファンブックでイラストを寄せた作者の名前には、PlurkのアカウントとFacebookのアカウントが掲載されていた。

Plurkの最大の特徴は、アプリを開いたトップ画面には、ハッシュタグの数が集計される仕組みで、ランキング上位になっている作品名が一瞥できること。つまり、作品の人気度はこれを見るとわかるのだが、鬼滅はこのところ、上位にないという。代わりに最近、伸びているのが任天堂のゲーム「あつまれ どうぶつの森」である。筆者の周囲でも、それまで携帯ゲームで遊んでいた層がSwichを購入し、大画面で家族友人と遊ぶ人が出てきている。台湾での人気はすでに確実なものになっているといっていい。

とはいえ、今回の取材を通じて改めて認識したのは、コンテンツを楽しむ環境の豊かさだ。口コミを広げるSNSや購入を容易にするECサイトなど、情報の流通、物流のネットワークが存在し、ファンの活動を支えている。今後、どんな日本作品の人気が出るのか、注目したい。