多様なプラットフォームで作品を楽しめる

さて、台湾における『鬼滅の刃』第19話「ヒノカミ」の人気を見る前に、台湾の日本アニメ事情を振り返ってみたい。

台湾には、日本のアニメに触れられるチャンネルは多い。ケーブルテレビ、動画配信サイトにスマホアプリといったツールもさまざまあれば、アニメ専門のテレビ局もアプリもそれぞれに複数あるので、好みによって選ぶことができる。

ケーブルテレビでは、こち亀、ちびまる子ちゃん、スラムダンクにワンピースといったもはや古典ともいえる作品が今なお放送されているし、動画配信サイトはNetflixだけでなく中華圏発のサイトもかなりある。

2日目の12日には、7月の台北で最高となる気温38.9度を記録した

アニメ『鬼滅の刃』が配信されたのは、台湾のアニメ専門の配信プラットフォームとして知られる「巴哈姆特動画瘋」(バハムートドンフゥアファン)のほか、愛奇藝、KKTV、friDay影音、LiTV 線上影視、LINE TV、東森電影台、愛爾達綜合台と多岐に渡る。

どれも基本的に版権を取得し、配信している。

愛奇藝は2010年にスタートした中国発の配信サイトだ。台湾は中国とは使用される漢字が異なることもあって、台湾で同社のサービスが開始されたのは2016年とやや後続だったが、翌年にはNetflixとも提携し、アニメだけでなく、映画、ドラマ、バラエティなど、さまざまなジャンルの映像を配信している。広告がかなりのボリュームで入るが、VIP会員になると広告表示は消え、人気番組の最新回を優先的に見ることができる。中には非会員も見られる映像があって、筆者も時折チェックする。ただし、日本から見られるかどうかは、残念ながらまた別の話だ。

また、こうした配信サイトとは別に、いわゆる違法サイトも存在していた。「していた」と過去形なのは、今年に入ってから取り締まりが強化され、一気に姿を消したからだ。中にはまた新たに更新するサイトも出てきているというから、イタチごっこは繰り返されているといえそうだ。

台湾では1987年に戒厳令が解除されて以降、海外からの情報が大量に入るようになった。整備が遅れていた台湾の著作権意識が大きく変わったのは、1998年である。ここで国際ルールに則る形で関連法が制定された。

今では、コミックや書籍は、日本との間にきちんと著作権売買が成立したものだけが販売されている。ちなみに、筆者が台湾に暮らすようになったのは2013年だが、いわゆる海賊版はこの間、見たことがない。