『梨泰院クラス』が「韓流嫌いの中年男性」にも響いた3つの理由

男の大好物がつまっている
稲田 豊史 プロフィール

「冬ソナ」を超えるインパクトになるか

正直言えば、細かい不満点はある。例えば、胸アツな少年マンガ的展開がドライブするのは全体の4分の3くらいまでで、ラストの4〜5話はやや紋切り型のビジネスドラマ色と、従来型の韓流ドラマ色(絵に描いたような主人公危機&純愛至上主義)が強まる。あまりにご都合主義な展開でセロイの危機が脱されるなど、拍子抜けするシーンも少なくない。

しかし、それらを差し引いても、今まで一度として韓流ドラマシリーズを全話完走したことのなかった筆者が、まったく飽きることなく全16話を見通せたのは、我ながら驚くべきことだ。現在では、ふと気づけば脳内でGahoの『START』(『梨泰院クラス』劇中歌)がループしている始末である。

 

韓国の映像コンテンツと言えば、『パラサイト』に代表される骨太な社会派映画しか“認めて”いない日本の中年男性は少なくないだろう。『梨泰院クラス』が彼らの態度を軟化させることができれば、日本における韓流ムーブメントが新たな局面にシフトする可能性は高い。

いま、韓流ドラマでは『愛の不時着』が、女性を中心に17年前の『冬のソナタ』(日本初放映:2003年4月〜9月)以来の大きなヒットとなっている。男性もハマる“第2、第3の『梨泰院クラス』”が矢継ぎ早に市場に投入されれば、韓国ドラマは「冬ソナ」を超えるインパクトを日本市場にもたらすかもしれない。

それはさておき、筆者としては、セロイとヒョニ(タンバムの店員)の出会い時のエピソードが描かれなかったことだけが悔やまれる。なんとかスピンオフドラマとして製作してはもらえないだろうか。号泣する準備はできている。

Netflixオリジナルシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中

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