カニエ・ウェスト〔PHOTO〕gettyimages

大統領選出馬断念…?世界を騒がせる「カニエ・ウェスト」の人生と思想

高評価の新曲では何を歌っているのか

カニエ・ウェストの周辺で何が起きていたか

2020年7月、カニエ・ウェストの周辺が騒がしい。

彼は、21世紀に入ったタイミングで音楽プロデューサーとして頭角を表し、03年にラッパーとしてソロ・デビューを果たした超人気ヒップホップ・アーティストであり、デザイナーでもある。

2010年発表の5作目『マイ・ビューティフル・トゥイステッド・ファンタジー』が00年代の最高傑作と言われるほどの才能の持ち主だが、カニエが有名であるのは多めに見積もっても音楽の功績は3分の1ほどであり、あとは彼が関わるスニーカーや服の価値が爆上がりするミダス・タッチとも言える審美眼、それから舌禍事件と奇行の数々が理由だ。

自作自演がデフォルトになったSNSの時代に、彼と妻のキム・カーダシアン・ウェスト(とその一家)は、「悪い宣伝なんてない(there is no such thing as a bad publicity=有名になったもの勝ち)」の諺を地でいく、ビリオネア夫妻である。

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問題はここ数年、カニエの興味が政治と宗教に移ったこと。アメリカのセレブリティが支持政党を表明して選挙運動に関わったり、俳優から政治家に転身したりするのは珍しくない。

だが、彼が赤いMAGAキャップを被って、強硬な移民政策で、保守的な(ともすれば人種差別をしがちな)白人を支持基盤とするトランプ大統領への支持を表明したのは衝撃的だった。

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さらに「奴隷制が400年続いたのは(黒人が)選択した結果だ」との独特の歴史観を語って、大顰蹙。その一方で2018年の夏は5週間続けて自身のアルバムとプロデュース作品をリリース、旺盛な創作意欲とともに、双極性障害(躁鬱病)であることをカミングアウトした。

ファンが「やっぱり」と納得しかけたところで、熱心なキリスト教徒になり、ゴスペルに寄ったアルバムを発表したり、礼拝になぞらえた「サンデー・サービス」と名付けた移動型イベントを主催、これにブラッド・ピットやケイティ・ペリーが姿を見せたりして、話題を集めた。