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3歳女児放置死の悲劇…「自己責任化」された親たちが直面するもの

「親であること」を支えるフランスの福祉

子育てに疲れて旅行に…

7月10日、東京都大田区の自宅に3歳の娘を8日間放置し、餓死させた疑いで母親が逮捕された。その間旅行していた理由について「子育てに疲れたからリラックスしたかった」と供述しているという。3歳児検診は受けさせておらず、昨年保育料が払えないとして保育園をやめていた。

昨年6月には仙台市で2歳の娘を自宅に放置したまま9日間交際相手の自宅に宿泊し女児が死亡する事件があった。11月にも夫婦で8時間4人の子どもを置いて外出し、帰宅時に3ヵ月の乳児が亡くなっていた。

ニュースでは母親の二面性を強調する伝え方や、母の身勝手を非難する報道もある。しかし、親を罰しても予防の効果はない。日本では今、親個人を非難する風潮にあるため、状況が悪いと隠そうとしてしまい支援につながりにくくなるという構図に陥っている。このままではまた犠牲になる子どもが増えてしまうだろう。

今年6月26日の報道で母親が夫の連れ子へ虐待をおこなったことについて裁判長は「友人から何度も忠告を受けたり、児童相談所に一時保護されたにもかかわらず、虐待を継続させた。その意思決定は相当に強い非難に値する」と述べたと報じている。

しかし、親は「虐待をする」という意思決定をし決行したわけではないだろう。

文部科学省のホームページで大臣から保護者向けに「虐待はしないと誓ってください」とメッセージが載せられているが、虐待をしないと誓ったから防げるわけでもない。

児童保護の現場で親はよく「できたらしてた」と言う。「思うように行動できなかった」ということである。子どものことが好きで大切なのに殺してしまうということが起きるのである。

 

子どもを守ることが最優先であれば、予防策をとる必要がある。それは「親であることを支える」ことだ。重要なのは子どもの幸せのためには親の幸せを支えることではないか。

叫び声が聞こえたり、しばらく姿が見えなくなったりしたら通報というのでは遅い。一撃で子どもが亡くなることもある。新生児は1日放置しても危険だ。