エコバックからの感染の報告例はないが…

ただ、可能性が示唆されてはいるものの、これまでエコバッグを原因とした感染例は報告されておらず、エビデンスがない。また、アメリカのCDCは食品のパッケージや買い物袋から感染する可能性は低いという考えを表明している※2

ノロウイルスにおいては、2011年にアメリカ・ワシントン州のサッカーチームで起きた9名の集団感染の際、浴室内(アメリカの浴室にはトイレが併設されている)に置かれていた食料品袋が感染の原因ではないかと示唆する報告があるが※3、研究の規模が小さく、十分なエビデンスとは言いがたい。

しかし、エビデンスが不十分とはいえ、仮にエコバッグが繰り返し再使用され、スーパーの店員など、不特定多数の人が触るとすれば、危険性は上がると考えられる。

「手袋をしているから安心」ではない

最近、飲食店やスーパーで「手袋」をしている店員さんを見かけることが増えた。手袋も、頻回に交換されずにつけっぱなしの場合、かえって感染のリスクが高まる場合もある。買い物に行くときなどに、手袋をつけようと考えている方もいるかもしれないし、布の手袋などをしている方もときどき見かける。一見清潔そうに見えるかもしれないが、出歩いている間はつけっぱなしになり、手指消毒もできないため、感染拡大のリスクになることもある。また、布の手袋の場合は頻回に交換することができないため、よけいにリスクが高まる。

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医療従事者は、患者さんの処置の際に手袋を使用したら一回ごとに交換し決してつけっぱなしにはしない。WHOは「食料品店勤務者は手袋を使用してもいいが、頻回に交換すること」と勧告しており、手袋の使用は「誤った安心感を与える可能性もある」と警鐘を鳴らしている※2。一般の皆さんも、手袋をつけるよりも手指消毒を頻繁にしたほうが効果は高いといえるだろう。