7月16日 ヨーロッパ初となる紙幣の発行 (1661年)

科学 今日はこんな日

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1661年のこの日、ストックホルム銀行がヨーロッパ初となる紙幣を発行しました。

 

ストックホルム銀行は現在のスウェーデン国立銀行のもととなった銀行で、1657年にヨハン・パームシュトゥルク(Johan Palmstruch、 1611-1671)によって設立されました。

スウェーデン国立銀行本店 photo by public domain

この銀行は当時成功していたアムステルダムやハンブルクの銀行をモデルにしたもので、国の経済に良い影響を及ぼすことが期待されていました。

しかし、この銀行経営にはすぐに問題が発生します。

国内の金属資源の減少を理由に、当時スウェーデンで流通していた銅貨の銅の含有量が削減され、貨幣価値が落ちてしまったのです。これによって額面の金額は同じでも、素材の価値が高い銅貨と低い銅貨ができてしまいます。

額面の金額が同じならば素材価値が高い方を取ろうとするもので、国民はストックホルム銀行が保管している旧銅貨を求めて一斉にお金を下ろそうとしました。

そこで、パームシュトゥルクは貨幣の不足を補うために紙幣の発行を考案しました。紙幣といってもいわゆる兌換紙幣(だかんしへい)で、同額の銅と交換できるというものでした。

最初に発行された紙幣は5、25、100、1000(単位はdkm=ダーレル銅貨)の4種類でしたが、運搬の便利さなどから1666年には銀との交換ができる第二弾が発行されました。

しかし、何事もそう上手くはいかないもので、銀行の融資の増加などが原因でストックホルム銀行はあまりに多くの紙幣を発行してしまいます。これによって軽いインフレーションが発生しました。

最終的には紙幣との交換が不可能なほどに銀行が所持する銅は減り、1664年には銀行が業務不可能な状態となります。

そして責任を問われたパームシュトゥルは投獄されてしまいました。

何事も初めて行うことは慎重でなければならないということでしょうか。

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