メチャクチャな政治家に人生を壊される「役人という生き物」の悲しみ

こうして「忖度の構造」は維持される
大原 みはる プロフィール

「私的諮問機関」のおかしさ

せっかく自分が大臣や首長になったのだから、ということで政治家がしばしばやりがちなのが、自分が懇意にしている有識者を集めて研究会を作ることだ。俗に「私的諮問機関」という。

私的というと、政治家のポケットマネーで、業務時間外に役所の外で行うような印象を受けるが、そうではない。大臣や地方自治体の首長の決裁で設置し、法令等に根拠を持たないから「私的」なのだそうで、有識者に支払われる謝礼は税金が元手だし、資料、議事進行の準備や会場の手配など、運営も役所の人間が行っている。組閣でひょっこりやってきた大臣や、住民の直接選挙で選ばれた首長がこういうのを作りたいと言えば、事務方としては逆らうわけにもいかない。

 

こうした会議体は、行政の発想では思いつかない決断を呼び込み、意義のある研究会となることもあるので、一概に悪いとも言えない。しかし、地方自治体の首長ならともかく、閣僚など1、2年の短期間で代わってしまう。

通常、後任者は前任者が始めた会議の成果をまとめても自分の業績としてアピールしにくく、前任者の作った会議は機能不全・停止として、逆のこと、別のことをテーマにした新しい会議体を作りたがる傾向にある。政治家が個人的な思い付き、いやもっと端的に言えば自身の政治生命維持のため、有権者へのアピールのためだけに始める研究会はある意味、行政の私物化と言えるのではないだろうか。