よりよい世界をつくるためには、私たちの日々の暮らしを見直してみよう。先進的なエリアの市民は、グローバルな問題であるSDGsを自分ごととして捉え、ローカリズムを大切にしています。今回は、ジェンダー平等に力を入れる、マレーシア・ペナン州での取り組みを紹介します。

ペナン女性発展局が目指す
ジェンダーのあり方

マレーシアに13ある州のうち、SDGsの各分野においてもっとも先進的な取り組みを行っているのがペナン州。グリーン・ステートを標榜するだけでなく、ジェンダーの平等にも力を入れている。その象徴的な存在が、ペナン女性発展局。州政府の公的機関である彼女たちの活動は多岐にわたる。

わずか15名の精鋭メンバーに加えて、大学教授などを含む外部の専門家たちによって展開されているのは、草の根的なアプローチ。例えば、多くの場合、女性たちの不遇は貧困の問題と結びついていて、経済的自立こそが女性の地位向上を促すことになる。そのためにコミュニティへの“稼ぐ手段”の教育も、プログラムの一つの柱になっている。

マレー系のコミュニティでエコクラフトのワークショップを見学した。彼女たちが作り出した商品は、手作り、女性支援という価値が付加されて販売される。着実に利益を生み、シングルマザーを含むコミュニティの女性たちの生活の一助となっている。

家賃月額25USドルというローコスト・フラットに暮らすマレー系のコミュニティで、ペナン女性発展局が行っているワークショップを見学させてもらった。いわゆるエコクラフトと呼ばれる、プラスチックのパッケージを再利用したカゴを作っている。

コーヒーなどのパッケージを収集することに始まり、選別し、丁寧に折りたたんで、編みこんでいく。あるいは新聞紙などの再生紙を糊で固めて積み重ねて作った、筒状のカゴもある。いずれにせよ材料費はゼロ。自分たちで集めた“廃棄物”から手作業によって生み出された“商品”は、使うパッケージの選択でカラーリングを変えるなど、作り手がアイディアを反映する余地がある。

卸先は、観光地ペナンヒルのショップなど、市内に数ヵ所ある。

もっとも重要なことは、ペナン女性発展局が“マーケット”を見つけて、卸先まで紹介していること。商品の流通に作り手の女性たちを組み込むことで、利益を享受するだけでなく、自立への意思を育んでいる。実際にこのワークショップを行うようになってから、コミュニティに対しての責任感が生まれ、掃除などを率先して行うようになっていったという。