7月15日 高峰譲吉がアドレナリンの特許取得(1901年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1901年の今日、高峰譲吉(たかみね・じょうきち、1854-1922)がアドレナリンの特許を取得しました。

 

現代にも通じる彼のベンチャー精神の結晶は、世界に認められることとなりました。

高峰譲吉

富山県の造り酒屋の家に生まれた高峰は化学の道を志し、東京大学での研究やイギリスへの留学を通して修業を積みました。その後アメリカへわたり、パーク・デービス社(現・ファイザー)との共同開発で消化酵素・アミラーゼの抽出・量産化に成功しました。高峰はこれを「タカジアスターゼ」と名づけて売り出し、その名声を高めました。

タカジアスターゼの量産が軌道に乗ると、高峰はアドレナリンの抽出に乗り出します。アドレナリンとは副腎という器官の髄質から分泌されるホルモンで、心拍や血圧を高め、心停止からの回復などに強い作用があります。水に溶けやすいためにその抽出は困難を極めたのですが、彼は前述のパーク・デービス社と共同でアドレナリンの結晶化にまでこぎつけ、特許取得・量産化に成功しました。

さて、そんなアドレナリンですが、2006年までは「エピネフリン」と呼ばれていました。アメリカのエイベルという学者が「高峰の研究は剽窃(盗作)である」と主張し、自ら名づけた名前を使うよう医学界に働きかけたためです。高峰に詳しい学者の働きかけが実り、ヨーロッパに続き日本でも「アドレナリン」の名前が使われることとなりました。

アナフィラキシーショック緩和に役立つエピペンも、中身はアドレナリン Photo by gettyimages