南沙織「早春のハーモニー」アルバムジャケット

ヘルシーな美貌で大人気「異色のアイドル」南沙織がかわいすぎた…!

ハートを掴まれたままのファンたち

「シンシア」の登場

「南沙織という存在を初めて知ったのは、1971年、私が小学5年生の時です。何気なく観ていたテレビ番組に、デビュー直後の沙織さんが映っていた。ストレートの黒い髪に、小麦色の肌。異性を好きになる年頃に差し掛かった私の目の前に、突然現れたのです。とにかく衝撃でした。

当時、祖母の家で観たテレビは白黒の映像だったはずなのに、思い出の中での沙織さんは鮮やかな色彩が付いている。ビデオレコーダーすらなかった時代のアイドルだったからこそ、後々の記憶と映像がコラージュされて、さらに印象深い、特別な存在になったのです」

 

こう語るのは、関西大学社会学部教授の永井良和氏である。

南沙織—。'71年、日本に返還される直前の沖縄から、彼女はパスポートを片手にやってきた。同年のデビューから'78年の引退まで、活動していた期間はわずか7年間。アイドル時代の幕開けにあって、数多のタレントが現れては消えたが、南沙織の存在はまるで神話のように、私たちの心に残り続けている。

考えてみれば、南沙織はデビュー当時からして、並の歌手やタレントとは違ったバックグラウンドを持っていた。沖縄のインターナショナルスクールに通い、流暢な英語を話すバイリンガルでもあった。

キリスト教の家庭で育ち、「シンシア」というクリスチャン・ネームまで持ったティーンの登場に、心を鷲掴みにされたファンも多かった。

彼女のデビュー曲にして代表曲となった『17才』は、54万枚のヒットを記録した。この曲の冒頭には、「海」というキーワードが入っている。燦々と輝く太陽の下で、大人とも子供とも言えない年頃の女性が純朴なラブソングを歌っている情景だ。

この『17才』の詞が、そのままアイドル・南沙織のイメージとリンクしていた。