7月12日 ラジオの本放送はじまる(1925年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1925年の今日、東京放送局(現・NHKラジオ第一)によって、日本初のラジオの本放送がはじまりました。

日本のラジオ放送がはじまるきっかけになったのは、アメリカに誕生した世界初のラジオ局、KDKA局です。KDKAはアメリカのウェスティングハウス(Westinghouse Electric)社が自社製品の宣伝のため、1920年に開局しました。この中心を担ったのは、技術者フランク・コンラッド(Frank Conrad、1784-1941)です。

ラジオの研究に打ち込むフランク・コンラッド Photo by Getty Images

KDKAはラジオ放送を商業として成立させた点で、それ以前のアマチュアラジオと一線を画しました。また、予告した時間に予告した内容を放送する「定時放送」も大きな特徴でした。そして初の公共放送として、アメリカ大統領選挙におけるハーディング(Warren Gamaliel Harding、1865-1923)の勝利を報じました。これが、世界中のラジオブームのきっかけになったのです。

さらに日本では、1923年に無線通信の重要さを痛感させる出来事がありました。関東大震災です。このときに無線通信がいちはやく情報を伝えたことで、ラジオ局開局の機運が高まりました。

開局当時の東京放送局(左)と放送設備(右) photo by Kodansha Photo Archives

こうした背景から東京放送局は、1925年3月の本放送開始を目標に急ピッチで準備を進めます。しかし、機材の調整や出演者用の楽屋の準備が間に合わず3月からの本放送は逓信省に許可されませんでした。そこで、ひとまず「試験送信」として番組を流しながら新しい放送所を愛宕山(現・港区、NHK放送博物館)に建てたのです。そうして、7月12日から本放送がはじまりました。

 

当初は月額1円、現在でいうと約1600円という聴取料が多くの人にとって高く感じられたのか、契約件数はわずか350件ほどでした。しかし、葉書による人気調査が実り、10月末には10万件を突破。一大ブームを巻き起こしました。

現在では、当時の1kWとは比べ物にならない100kW以上の出力で全国放送を実施しているAM放送局が、NHK以外にも複数あります。また、電波の振れ幅を変化させて音声を送信するAM放送に対して、周波数を変化させるFM放送も行われています。