もはや「日曜午後の顔」!23年間ブレない名アシスタント・山瀬まみ

サザエさん、笑点と並ぶ圧倒的な安定感
堀井 憲一郎 プロフィール

23年間、ずっと変わらない存在

かくも長きにわたり、1人の女性がアシスタントをしている理由のもうひとつは、社会の変容にあるのだろう。

うちの社会が変わりだしたのは、90年代の終わりから2000年代に入ったころである。21世紀になると、かなりいろんなものが変わってしまった。90年代の半ばにはまだ携帯電話を持っている人は一部であり、コンピュータを扱うのは専門家だけで、インターネット世界は存在しなかった。それが10年ほどで劇的に変わった。1995年の生活環境と2005年の生活環境の差はとんでもなく大きい。

 “新婚カップル”もずいぶんと変わった。いろんな新婚さんが出てきて、それに誰も驚かなくなった。

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山瀬まみはアシスタントになった1997年夏に27歳で、そのときに『新婚さんいらっしゃい!』の新妻の年令だった(実際に出演開始前月の6月に結婚を発表した新妻である)。

ちょうど21世紀に向けて社会の鳴動が始まった時期である。そのまま変動する社会のなかで、“ある種の不変なもの”を受け持つようになったように見える。そういう役割を担ってしまう不思議なポジションに彼女はいたようだ。

山瀬まみは「平穏な日曜日」の象徴

『新婚さんいらっしゃい!』に出てくる新婚カップルも、ずいぶんと多様化しているが、山瀬まみはずっと山瀬まみのままである。

何気ないようでいて、彼女自体の変化をあまり気取られていない。ある種の触媒のようで、まわりに静かに影響は与えるが、本人はそのまま変化がないように見える。見えるだけで微妙に変化しづけているのだが、周囲に合わせるぶん変化に気づかれにくい。そういう存在だとおもう。

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まるでサザエさんのようだ。

アニメ『サザエさん』は『新婚さんいらっしゃい!』より1年3か月前に始まった番組であり、どちらも「家で過ごす平穏な日曜」を象徴する番組である。それに『笑点』も加えて、どれも昭和40年代に始まった番組であり、日曜の午後は落ち着いた世界であってほしい、という日本人の願いを反映している番組となっている。

山瀬まみは、気がつくとその一端を担当している。彼女のキャラとタイミングによるものだろう。