『新婚さんいらっしゃい!』はもう50年放送されている。
考えてみると、ものすごい番組である。
放送開始は1971年1月で、当初のメイン司会は桂三枝だけでなく月亭可朝も一緒だったらしい。覚えていない。この人は、当時大人気のテレビタレントで、おもいつきで(としか見えなかった)いきなり参議院議員に立候補し、レギュラー番組をすべて降板した。それからテレビであまり見なくなった。1971年の初夏のことである。
この人が桂米朝の弟子で、落語もやると知ったのは、もうすこしあとになってからであった。
桂三枝は、当時売り出し中の若手だった
(1966年入門から2012年までは桂三枝、2012年に大名跡を襲名して桂文枝となったので、以下、2012年以降および現在の彼については文枝、それ以前の事績については当時の三枝の名前で記します)。
1970年当時、笑福亭仁鶴と桂三枝が上方の若手落語家の双璧であり、仁鶴がタレントとして活躍するものの落語は古典をしっかり演じるというのに対し、三枝は古典落語を演じても現代感覚を入れるのを忘れていない軽やかな落語家であった。
若さ溢れる落語家タレントとして登場し、そのイメージを崩すことなく一線で活躍しつづけている。
『新婚さんいらっしゃい!』は、とても人気があった。いまでもそこそこあるのだろうけれど、かつては圧倒的な人気番組だったのだ。
三枝と西川きよしの二人が司会していた『パンチDEデート』が始まったのが1973年で、これはあっという間に大人気番組になった。それに引っ張られるように『新婚さんいらっしゃい!』も人気が爆発していったように記憶している。