習近平も青ざめる…中国の尖閣侵入に「日本のマジな怒り」を見せる方法

脅威から目を背けている場合じゃない
長谷川 幸洋 プロフィール

現在は政府所有である。そうであれば、政府が賃借当時よりも「平穏かつ安定的な維持」に一層、重い責任を持っているのは、当然だろう。当時に比べて、尖閣諸島周辺が「平穏かつ安定」しているとも言えない。領有権を脅かされているのは、明らかである。

むしろ、現地の対応を海保任せにしたままでは、政府が「維持管理の責任を十分、果たしていない」とさえ言える。

 

中国の脅威から目を背けている

政府が政府職員の派遣をためらうのは「中国を挑発したくない」という理由からだろう。派遣すれば、中国が一段と強硬になる。緊張がスパイラル化して平穏状態を維持するのが一層、難しくなるという判断だ。だが、そんな姿勢こそが中国を助長させている。

意地悪く言えば、政治家たちが敵基地攻撃能力の議論を始めたのは、暗黙のうちに共有された「尖閣の緊張から目を背けていたい」という思惑の産物かもしれない。

敵基地攻撃能力の保有はいずれにせよ、遠い将来の話だ。巡航ミサイルや戦略爆撃機、まして空母の保有など、公明党を含めた与党内で合意形成を図るのは難しく、仮に合意できたとしても、実際に能力が備わるまでには、10年単位の時間と巨額の費用がかかる。

議論をしていれば、政治家たちは「安保・防衛に努力している体(てい)」を装える。一方、いま尖閣諸島に政府職員を派遣すれば、中国はもちろん、一部の野党も反発して、大問題になるに違いない。目先の平穏を続けるために、あえて尖閣に目をつぶる。そんな計算はないのか。