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習近平の大失敗…香港併合の悪手で世界制覇の「最強カード」を失った

鄧小平が編み出した長期戦略は崩壊一途

「阿片戦争」というカード

前々から不思議だった。中国は日本の「帝国主義」や「侵略」を徹底的に弾劾するのに、なぜ、英国との「阿片戦争」については一言も言わないのか?

日中戦争はまだ起こってから80年ほどだが、阿片戦争はすでに180年も経っているからか。日本を責め立てれば物質的に大いに得るものがあるが、英国を責め立てても何の得にもならないからか。

イギリス海軍軍艦に吹き飛ばされる清軍のジャンク船を描いた絵(Wikipediaより)

日本人がアメリカに原爆を落とされても抗議しないように、中国人も欧米人の横暴に対しては甘いのか。日本人への憎悪は主に、同じアジア人に負かされたという恨みから来ているのか……などといろいろ考えたが、よくわからなかった。

ところが最近になって、これが正解かというのを思いついた。おそらく彼らは最終目標に向かって、順を踏んでやっているだけなのだ。最終目標というのは、もちろん世界制覇。

その目標を達するためには、前線の拡大は得策ではない。だから、まずは一番簡単そうな日本を片付ける。「南京虐殺」などの情報を広め、日本がアジアを残忍に侵略したというイメージを世界に定着させ、そのうち尖閣諸島を奪っても、これは元々中国の領土であったと言い張れる土壌を作る。

と同時に、日本の政治家や経済人を取り込み、日本の土地も企業も買収する。そして、やがて日本が抵抗しなくなったら、次は台湾とその他のアジア。

 

いずれにしても、その間は欧米は味方につけておく。しかし、アジアが済めば、次はヨーロッパで、最後はアメリカというのが、おおよそのシナリオではないか。だとすれば、遅くともヨーロッパに取り掛かったところで、中国政府は阿片戦争というカードを引っ張り出す可能性がある。

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