ラッコが消えれば海が死ぬ――たった一種の絶滅が招く生態系の崩壊

私たちは自分の首を絞めているのか?
山田 俊弘 プロフィール

生物多様性保全はヒトのため

生態系の生物多様性の喪失は、生態系機能の低下を導きます。加えて、キーストーン種を失った場合、直ちに生態系の崩壊がはじまります。

つまり、現在進行中の生物多様性の喪失が続けば、生態系の崩壊が、ある日突然、しかし確実に訪れるのです。そして、生態系サービスを失った私たちヒトも、生存を脅かされることになるでしょう。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

まずは、生物多様性によりもたらされる生態系サービスはヒトの生活を支える基盤なのだ、と認識することが大切です。

また、現在進行中の大量絶滅の原因は人間活動にあります。ですから、私たちは自分で自分の首を絞めているようなものなのです。結局は、自分自身の生命を守る最も賢明な選択肢が生物多様性保全だと肝に銘じ、それに努めていくしかありません。

この結論に異を唱える人はいないでしょう。問題は、どうやって実践するかにつきます。保全活動と経済活動とのトレードオフもやっかいな問題です。

ただ、私たちの生活スタイルには、生物多様性保全のために改善できることがたくさんあります。生活スタイルの改善を進めながら、一方で、環境破壊をもたらす行為を拙速に是認することなく、躊躇し続けることが大切です。