世界的スター「BTS」の成功に不可欠だったリーダーの「言葉の力」

「過ちや欠点が、私という人間であり…」
平松 道子 プロフィール

エンターテインメントの存在意義

ちなみにファンダムが大きい分だけアンチと呼ばれる人が多いこともあり、国連でのスピーチも作家が書いたものを読んでいるだけだろうという意見もいくつか見られた。

しかし、国連総会以前に様々な場所でRMのスピーチやコメントを聞いているファンたちは、国連総会のスピーチにいつものRM節を感じたそうだ(RM自身はスタッフや関係者とも相談しながらスピーチ原稿を作ったと述べている)。

以下に、個人的に響いた2017年12月にWingsツアー(*)ソウル最終公演のRMのコメントを一部抜粋した(*2014年秋から2年半にわたり行った3部作Live Trilogyのラストを飾ったツアー)。

僕たちも僕たちを信じることができませんでした。僕たちにやれるのか、うまくいくのか。
僕たちをわかってくださる皆さんなら、皆さんの夢……夢じゃなくても、生活や、皆さんの人生に、いつか僕たちの存在が、僕たちの音楽が、ステージが、写真、動画が皆さんにとって本当に小さなことだとしても、痛みが100ならば100を99、98、97に変えていくことができたら、それで僕たちの存在の価値は充分なんです。
 

当時23歳のRMのこの言葉は、アイドルやアーティストだけでなく、すべての商業エンターテインメントコンテンツにかかわる全ての人が持ち続けるべき純粋さ“エンターテインメントは何のために存在しているのか”を的確に言葉で表現していて、私自身も身が引き締まる思いがした。

RMは他にも、ベルリンで行ったライブで、国が分断するということについて言及し、ブラジルのライブでは“韓国と真反対に位置するこの国にファンの皆さんがいること自体が、BTSが頑張っているという証”と述べている。RMはその場所、その瞬間に発することで意味が深まる言葉を的確に選び、伝え続ける。