世界的スター「BTS」の成功に不可欠だったリーダーの「言葉の力」

「過ちや欠点が、私という人間であり…」
平松 道子 プロフィール

欠点がある自分を愛するということ

2018年9月。ニューヨークで行われた国連総会に、ユニセフのグローバル・サポーターとしてBTSが出席した際、RMは英語でスピーチを行っている。

アメリカでの人気が驚異的な速度で拡大していた時期という事もあり、北米メディアだけでなく世界中のメディアがその内容を取り上げた。

その一部を抜粋する。

私は昨日、間違いをおかしてしまったかもしれません。でも昨日の私は、私です。今日の私も、過ちや欠点を伴ったままの私です。明日は、ほんのちょっとマシになっているかもしれませんが、それも私です。これらの過ちや欠点が、私という人間であり、私の人生という星座の中の輝く星なのです。私は、ありのままの自分を 過去の自分をそして将来なりたいと願う自分を 好きでいることができるようになりました。
(中略)
あなたが誰であっても、どこから来て、どんな肌の色で、どんなジェンダーであっても、あなた自身を語ってください。語ることで、あなたの名前と声を見つけてください。
私の名前は、キム・ナムジュン。BTSのRMです。
韓国の小さな町から来た、アイドル、アーティストです。多くの人と同じように、私もたくさんの間違いをおかしてきました。たくさん欠点がありますし、それ以上の怖さもありますが、でも、そんな自分を思いっきり抱きしめて、少しずつ自分を愛していきます。
 

私はRMよりずいぶん年上だが、このスピーチを聞いてシンプルに感銘を受けた。20代の青年らしく等身大で語りながら、今の自分たちが置かれた立場を正確に理解し、アーティストとしてこれまでの自分たちの活動へのプライドを持って話していたからだ。

日本人は自身の意見や主張を言葉にして述べることに苦手意識を持っている人が多いと思う。さらに、芸能人やスポーツ選手は、政治や思想を語るものではないという不思議な慣習もいまだ色濃く残っている。

しかし、世界に目を向けると、主張はすべきものと考える国も多い。特にそれが顕著であり、芸能人だろうと誰だろうと、意見を主張することが当然という環境の北米・欧州諸国で、もしRMの英語でのスピーチ力、コメント力がなかったら……やはりここまで成功できていなかったのではないだろうか。