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「もやウィン」炎上が示した、自民党「変えたいだけ改憲」の空虚な本性

「変えること」自体が目的になっている

「もやウィン」のセリフから見えること

毎年5月になると風物詩のように、自民党総裁の口から繰り出される言葉がある。憲法記念日における「憲法議論をしなくてはならない」というセリフだ。

自民党はこれまでも様々な形で改憲キャンペーンを行ってきたが、今年は四コマ漫画でキャンペーンを行い、これまでにない規模で「炎上」した。

炎上の原因は、キャンペーンに登場したキャラクター「もやウィン」。名前の通りダーウィンを模したキャラだったのだが、彼がダーウィンのものとして引用した「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」というセリフが、実はダーウィンのものではないと専門家から指摘があったのだ。

自民党のサイトより引用
 

もやウィンは「変化すること」の大切さを説いたわけだが、このキャラクターはその主張によって図らずも、自民党にとっての改憲が、「具体的な問題が起きているので憲法を変える」性質のものではなく、「憲法を変えることそれ自体が目的」だということを、明確にしてしまった。

もやウィンは第二話・第三話においても、「十七条憲法は憲法と似たもの」「人に迷惑をかけたり、法律に触れない限り基本的人権は守られる」などの発言を連発している。

もはやダーウィンを模している意味もないわけだが、「人に迷惑をかけたり、法律に触れない限り」基本的人権を守る、というのが自民党憲法改正推進本部の主張ということになるのだろうか。

ダーウィンが生まれた時代にはすでにフランス人権宣言が存在したのだが、もやウィンはダーウィンよりも古い時代の人なのかもしれない。