韓国で「家計の借金」が膨張中、「巨大リスク」になっていた…!

コロナショックの知られざる影響
高安 雄一 プロフィール

また銀行の健全性も盤石な状況が続いてきた。一般銀行の不良債権比率は2016年7~9月期に1%を切り、2019年10~12月期には0.45%にまで低下している。また自己資本比率も2019年10~12月で15.9%と高水準である。このように銀行の健全性は盤石であり、借り換えに対して消極的になるリスクも小さい。

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コロナショックで状況は一変した

しかしながら新型コロナウィルスの感染拡大による影響が長期化すると、家計部門が負っているリスクが顕在化する可能性が出てくる。新型コロナウィルス感染拡大の影響はすでに出ている。景気に敏感な鉱工業生産指数をみると、4月が前月比で6.7%減、5月も同じく6.7%減と急速に悪化している。景気動向指数の動きを見ても一致指数が大きく落ち込むなど景気悪化の動きが顕著である。

韓国の景気悪化の要因は、主要輸出相手国である中国やアメリカの景気が悪いことに加え、新型コロナウィルスがいつ終息するのか不確実ななか、個人消費や設備投資が手控えられていることである。よって景気悪化はしばらく続くことが予想され、経済活動は相当程度落ち込むことが見通される。

これだけ景気が悪くなると、企業収益も大きく悪化することが避けられず、借入金の返済が滞る企業が大幅に増えることが予想される。その結果、銀行の不良債権が増加し、健全性が悪化するれば、貸出態度が消極化する可能性がある。