韓国で「家計の借金」が膨張中、「巨大リスク」になっていた…!

コロナショックの知られざる影響
高安 雄一 プロフィール

家計部門への資金供給は住宅担保貸出が多くを占めているが、韓国の金融機関にとって、住宅担保貸出は一定水準の金利収入を得ることができ、リスクが低い魅力的な貸出といえる。

次に資金の需要側の要因として、貸出金利の低下が挙げられる。1996年の家計向け貸出金利の平均値は12.3%であったが、これが2000年には10%を切り、2013年には5%を切るなど下落が続き、2019年は3.2%にまで下がっている。このような低金利により、家計部門が資金を借りやすくなり資金需要が増加した。

なお不動産投資を使途とする借入れが多いが、所得が伸び悩むなか生活資金の借入も増えてきたようである。

〔PHOTO〕iStock
 

家計負債が韓国経済に与えるリスク

家計負債は増加してきたが、これについて経済に悪影響を及ぼす危険性が指摘されてきた。韓国開発研究院(KDI)は、韓国の家計負債の多くを占める住宅担保貸出の特徴として、元金はそのままにして利息だけを支払う「元金据置返済」であること、貸出期間が3年以下であるといった特徴を挙げている。よって家計部門は、金利が上昇した場合に支払い利息が急増するリスク、何らかの要因で借入金の借り換えがなされないリスクを負っている。

ただし、家計部門が負うリスクが実際に顕在化する可能性は低いと考えられてきた。韓国では近年物価が落ち着いている。2019年の消費者物価指数の上昇率は前年比で0.4%であり、物価安定目標である2.5%を下回ってきた。よって政策金利を引き上げる必要性は薄く、家計向け貸出金利も低水準で推移してきた。つまり金利上昇により支払い利息が急増するリスクは低い。